まるでメルヘンの世界!ベルギーの古都「ゲント」の半日散策スポット!
ゲントは、首都ブリュッセルから50キロ程離れたベルギーの北西部 (フランデル地方) に位置し、
ブリュッセルとアントワープに次ぎベルギーで3番目に大きく重要な都市です。
12世紀以降、運河を利用して中世貿易都市として発展したゲントには、かつての栄華を語るように
旧市街に数多くの歴史的建造物がみられます。
中世を思わせる石畳の街にはメルヘンの世界に出てくるような教会の鐘楼や城塞、ギルトハウス、
美しい花に飾られた運河を流れるボートなどフォトジェニックなスポットでいっぱいです。
このページは、半日で廻ったゲントの観光スポットを紹介します。
ゲント・シント・ピーテルス駅
ブリュッセル・ザベンテム空港駅からインターシティー(IC)で1時間ゲント・シント・ピーテルス駅に到着 !
構内の天井や壁はとても立派な装飾で、白と黒の石を組み合わせた造りは、イタリアの「シエナの大聖堂」を
思わすようなデザインです。(*‘ω‘ *)
ゲントを観光してから ブルージュ に移動するので、荷物を駅のロッカーに預けて市内観光へ出かけます。
駅のロッカーについて
訪問都市に宿泊せず、都市間の移動に欠かせないものは、駅のロッカー施設です。
半日身軽に観光する為、駅のロッカーで機内持ち込み用のスーツケースを預けます。
ロッカーのサイズはいろいろありますが、機内持ち込み用のスーツケースを2つ入れて€ 5 でした(2019年)
支払いはコインのみなので小銭を用意しておきましょう。(カード、紙幣使用不可)
ロッカールームにATMはありますが、小銭を両替する機会は設置されていないので、
小銭を携帯していない場合は、キオスクなどで買い物をしてお金をこまかくする必要があります。
スーツケースを出すときにレシートが必要なので、失くさないように気を付けてください。
ゲントだけでなく、他の都市でもスーツケースを預けたいけどロッカーが見つからない...
ロッカーがあったけど開いていない...という経験はありませんか?
私たちはそういう経験を何度かしてうんざりしてしまったので、Radical Storage のオンラインから
ロッカーを予約して時間を無駄にしないようにしています。
ゲントの公共交通機関について
ゲントには地下鉄がなく、市内の移動はバスとトラムで 「デ・レイン」(De Lijn) という会社によって
運営されており、中世の街並みを近代的なしゃたが走っています。
この「デ・レイン」は、ベルギーの北部をカバーするバス会社で、ブルージュやアントワープなど
北部の都市を廻る時にも、別の都市で購入したデ・レインの回数券や1日券も同日であれば、
使用することができます。
チケットは、国鉄の構内にあるキオスクやトラムのホームにある自動券売機、
「デ・レイン」の営業所などで購入します。
トラムのホームにある自動券売機は現金(ユーロ)のみなので、カードで購入する場合は営業所へ。
チケットの種類
シングルチケットは、1回券(60分有効)は € 2,50、往復券は€ 5 がありますが、
何度も利用するのであれば、回数券か1日券がお得です。
回数券(10回分): € 17です。
回数券は1枚のカードになっていて複数で利用できるので、乗車時に人数分を刻印します。
1日券(24時間): € 7,50
3日券(72時間): € 15
2024年 公式サイト参照
私たちは1日券(€ 7,50 )を購入して、ゲントとこの後行くブルージュで使用したのですが、
翌日ブルージュを観光して後日アントワープ行くので、回数券 € 17 (10回分)を買っておいたほうが
良かったかもしれません。
バスやトラムの中には刻印機があるので、乗車時に刻印するようにしましょう。
多数でシェアしている回数券の場合は、人数分だけの刻印が必要です。
ゲントの街の中心部へのアクセス
駅を出て正面左手に中心部へ行くトラムの駅があります。
ゲント・シント・ピーテルス駅から街の中心へは徒歩30分、トラムで15分と少し距離があるし、
駅周辺にはなにも見学するものがないので、市内中心部までトラムで行くのがいいでしょう。
市内中心部の コーレンマルクト広場[Korenmarkt] へは1番のトラムに乗ります。
私たちは、2番のトラムで 聖バーフ大聖堂 [Sint-Baafskathedraal] へ向かいました。
駅周辺とは打って変わった市内中心部の景色・・・
遠くから高い塔を目指して聖バーフ大聖堂へと向かいます。
聖バーフ大聖堂
聖バーフ大聖堂は、 10 世紀に聖ヨハネを記念して建設が始まったゲント最古の教会です。
高さ89メートルの鐘楼が街を見下ろすように聳え立っています。
11 世紀に最初の木造教会がロマネスク様式の教会に建て替えられたのち、数世紀にわたり完成に至ったので、ロマネスク様式、ゴシック様式、バロック様式の3 つの建築様式の融合が見られます。
16世紀に完成を迎え、現在のゴシック様式の大聖堂の姿になりました。
聖バーフ大聖堂は、ゲント生まれの神聖ローマ帝国・皇帝カール5世が洗礼を受けた教会でもあります。
天井がとても高く優美な教会の中には、色彩豊かで繊細なステンドグラスやタペストリー、
ルーベンスによって描かれた「聖バーフの修道院入門」など...
数世紀前の貴重な彫塑や宗教遺物、絵画があふれています。
写真右手の優美な説教壇は、ローラン・デルボー作の「心理の説教壇」で、石で作られた彫刻
とは思えないほど繊細で躍動感があります。
聖バーフ大聖堂には、600年前に初めてこの大聖堂で公開されたファン・エイク(Van Eyck)兄弟による
フランドル絵画の最高傑作「神秘の子羊」が所蔵されています。(1432年作)
全体の大きさは縦約3.5メートル、横約4.61メートルの祭壇画で、2012年から約13年間の計画で
大規模な修復作業が続けられています。
内側12枚、外側8枚のパネルで構成されており、外側のパネル8枚は2016年に修復が完了し、
16世紀以降初めてのオリジナルの姿が再現されました。
私たちが訪れた2019年は修復中のレプリカが設置されていました。
旧約聖書の引用や欧州の毛織物貿易の中心だった頃のゲントの日々の生活をうかがわせる
ストーリーが描かれています。
祭壇画は過去何度も盗難に遭い、ナポレオンやナチス・ドイツの手にも渡ったそうです。
聖バーフ大聖堂 [Sint-Baafskathedraal]
場所:Sint-Baafsplein, 9000 Gent
教会見学時間:平日8:30~17:30、日曜日13:00~17:30
料金:無料
神秘の子羊のチケットの詳しい情報は、公式ページ から確認してください
ゲントの鐘楼
1999年に世界遺産に登録されたゲントの鐘楼は、14世紀兵士を召集する為に建てられてたそうです。
ゴシック様式で建てられた鐘楼の高さは95メートル、塔の先端には、14世紀後半に製作された
ドラゴンがゲントの街を見守るように設置されています。
ゲントの鐘楼は、聖バーフ教会、聖ニコラス教会とともにゲントの3塔に数えられています。
鐘楼にはエレベーターで登ることができます。
展望スペースからは、15分おきに響く鐘楼の音に耳を傾けながら、
美しいゲントの街を一望することができます。
ゲントの鐘楼 [Het belfort van Gent]
場所:Sint-Baafsplein, 9000 Gent
見学時間:10:00~18:00 (12月25日、1月1日を除く)
料金:一般 € 11 / 12歳以下無料
公式ページ
ゲント市庁舎
ゲント市庁舎 [Stadhuis Gent]
場所:Botermarkt 1, 9000 Gent
ゲント市庁舎は、1576年ゲント講和条約が締結した場所です。
16~18世紀の間に建てられたゴシック様式とルネッサンス様式の複合した建物で、
角度を変えてみると、いっけん別々の建物のようにも見えるエレガントなデザインです。
聖ニコラス教会
外観がお城のような重厚感のある「聖ニコラス教会 (Sint Niklaaskerk)」。
聖ニコラス教会は、13世紀トゥルネー地方産の青い石を使用してスヘルデ・ゴシック様式で建てられた
ゲントで最も古い教会のひとつです。
スヘルデ・ゴシック建築は、スヘルデ川周辺でしか見れないゴシック建築だそうです。
ブルーの石で建てられた教会は、冷たく重量感があり美しいです。
教会内部は、鮮やかなステンドグラスと立派な主祭壇があり、外からの自然の光がステンドグラスを通して
差し込み外観とは一見して、明るい印象でした。
教会には、19世紀の歴史あるパイプオルガンが設置されています。
ちょうどパイプオルガンが演奏されていて、より神聖な空気が漂っていました。
聖ニコラス教会 [Sint Niklaaskerk]
場所:Cataloniëstraat, 9000 Gent
見学時間:10:00~17:00
コーレンマルクト広場
コーレンマルクト広場 [Korenmarkt]
場所:Korenmarkt 18, 9000 Gent
コーレンマルクト広場は歴史地区の中心部にあり、歴史的建造物の中にカフェやスーパー、
レストラン、ショップなどが入り大勢の人で賑わう広場です。
この広場では、7月に 「Gentse Feesten」という音楽祭も開催されることで有名です。
ゲントの美しい中世の景観を楽しめる地区グラスレイ (Graslei )とコーレンレイ (Korenlei )と向かいます。
聖ミッシェル橋
聖ミッシェル橋 [Sint-Michielsbrug]
場所:Sint-Michielshelling, 9000 Gent
聖ミッシェル橋は、1905年から1909年にかけて完成した石造りのレイエ川にかかる橋です。
この橋の上からは、運河沿いに立ち並ぶ美しいギルドハウスを一望することができます。
街の中心部にを流れる大きなレイエ川を挟んで東岸がグラスレイ、西岸がコーレンレイです。
運河上には商人の船が頻繁に行きかい、中世の貿易の重要拠点だった場所です。
運河を挟み大富豪たちの邸宅が建てられている地区で、世界遺産登録の歴史的な建造物が複数あります。
グレスレイとコーレンレイにあるいくつかのギルトハウスは、カフェやレストラン、ショップ、
ゲント マリオット ホテル (Ghent Marriott Hotel) などの高級ホテルになって運営されいるようです。
フランドル伯の城
12世紀に築城されたフランドル伯の砦で、フランドル地方に残る唯一の中世城塞。
実戦で損傷を受けることが殆どなかった為、ほぼ当時のままで残されています。
オーディオガイドを聞きながら、当時使われていた中世の武器、兜、拷問器具、ギロチン台などを
展示した博物館や王や王妃の使用したトイレなども見学コースに入っています。
そして、螺旋階段を登ると城の見張り台へ
見張り台からは、鐘楼や教会、ギルトハウス、運河などゲントの街並みが見渡せる絶景スポット!
お城の見学も興味深いですが、この景色を見るだけでも一見の価値があります。
フランドル伯の城 [Het Gravensteene]
場所:Sint-Veerleplein 11, 9000 Gent
見学時間:10:00~18:00 (チケット売場~17:00)
休館日:12月24、25、31日、1月1日
料金:一般 €13、12歳以下は無料
▶オーディオガイドは料金に含まれています (日本語なし)
公式ページ▶フランドル伯の城のチケットオフィスの奥に無料トイレがあります。
橋の袂からは、運河めぐりのボート乗り場が沢山あります。
中世の街並みを運河から眺める ボートツアー で一味違った市内観光をしてみるのも良いですね!
人気のボートツアー では、ゲントの有名な 3 つの鐘楼、中世の教会や修道院、ギルドホールなど
歴史的な建造物を運河で巡る40~50分間のツアーがあります。
ボートに乗りたいけど、どこ行けばいいのか分からず時間を無駄にしてしまう事のないように、
Get Your Guide などのチケット販売サイトからオンラインであらかじめ購入しておくのもいいでしょう。
また、乗りっぱなしが退屈なツーリストには、乗り降り自由なボートツアー Hop-on Hop-off
などもあるので、検討してみてもいいと思います。
ランゲムント(Langemunt) 通りを金曜日広場へと向かいます。
この通りは、Primark、Sacha、 H&Mなどのファストファッションの店舗が並ぶ
ショッピングストリートなので、ちょっとしたお買い物ができます。
デュレ・グリート
デュレ・グリート [Dulle Griet]
場所:Grootkanonplein 5, 9000 Gent
デュレ・グリートは、フランドルの民間伝承の魔女にちなんでつけられた名前で、
ベルギーのワロン地方 モンス という町で造られた3つの中世の大砲の一つ。
スペイン継承戦争における戦闘の一つアウデナールデの戦いで用いられ、
ゲントから敵軍に持ち去られましたが、1578年返還され金曜日広場からほど遠くない
運河沿いの一角に記念碑として設置されています。
金曜日広場
金曜日広場[Vrijdagmarkt ]
場所:Vrijdagmarkt 12 Gent
広場の中央には、百年戦争初期にフランドル都市連合の指揮者となった政治家
ヤコブ・ファン・アルテフェルデの像。
この金曜日広場では、12世紀から続く野菜や果物のマーケットが
金曜日の午前中と土曜日の午後に開かれているそうです。
金曜日広場付近には、美しい色とりどりのギルトハウスが並んでいます。
歴史的建造物ギルトハウスは、現在店舗やカフェなどになっています。
ゲントでビールを飲むならここ!
デュレ・グリート(Dulle Griet )
場所:Vrijdagmarkt 50, 9000 Gent
金曜日広場に面して建つ「デュレ・グリート(Dulle Griet ) 」は、250種類のベルギービールをそろえる老舗。
ここでしか飲めないデュレ・グリートというおいしいビールが飲めるだけではなく、
マックス(Max )という看板メニューがあります。
マックスというのは、1.2リットルの細長いグラスに入ったビール。
ビールを注文して片方の靴を保障に預けます。
保障というのはビールのグラスを割らずに飲み干せば、預けた靴を返してもらえるということです。
飲める自信のある方は、ぜひ挑戦してみてください。
まとめ
ベルギーの古都「ゲント」は、歴史的な建造物や運河など中世の面影を残す美しい都市です。
ベルギー国鉄のインターシティー(IC)を利用すれば、ブリュッセルから40分ほどでアクセスできるので
日帰りも可能ですし、運河の美しい都市として有名な「ブルージュ」と合わせて訪れるのもいいと思います。
また、個人での移動が苦手な方は、ブルージュやゲント、アントワープへの日帰りツアーがブリュッセルから
出発しているので、Klook (クルック) からオプショナルツアーを利用されるのもいいと思います。
私たちが訪れたベルギーの都市の中では、ゲントが一番のお気に入りの都市なので、
余裕があれば1泊してみたい都市です。
半日満足観光を終え、次の目的地 ブルージュ へと向かいます。