ベルギーの古都「ゲント」を半日で廻る見学スポット!
ベルギー4都市周遊は、美しい古都ゲントから始まります。
12世紀以降、運河を利用して中世貿易都市として発展したベルギー第3の都市ゲントには、
かつての栄華を語るように旧市街には歴史的建造物が数多くみられます。
中世を思わせる石畳の路地におとぎ話に出てくるような色とりどりの建造物、
美しい花に飾られた運河のほとりでくつろぐ人々・・・
半日で廻ったゲントの観光スポットを紹介していきます。
ゲント・シント・ピーテルス駅
ゲント・シント・ピーテルス駅 [GENT-SINT-PIETERS]
ブリュッセル・ザベンテム空港駅からICで1時間ゲント・シント・ピーテルス駅 に到着 !
構内の天井や壁はとても立派な装飾で、白と黒の石を組み合わせた造りは
イタリアのシエナの大聖堂を思わすような雰囲気を出しています。
これから荷物をロッカーに預け、市内観光へ出かけます。
駅のロッカーについて
訪問都市に宿泊せず、都市間の移動に欠かせないものは、駅のロッカー施設です。
半日身軽に観光する為、駅のロッカーで機内持ち込み用のスーツケースを預けます。
ロッカーのサイズはいろいろありますが、機内持ち込み用のスーツケースを2つ入れて€ 5
支払いはコインのみなので小銭を用意しておきましょう。(カード、紙幣使用不可)
ロッカールームにATMはありますが、小銭を両替する機会は設置されていません。
スーツケースを出すときにレシートが必要なので、失くさないように気を付けてください。
ゲントの公共交通機関について
ゲントには地下鉄がなく、市内の公共交通機関はバスとトラムで、
「デ・レイン」(De Lijn)という会社によって運営されています。
この「デ・レイン」は、ベルギーの北部をカバーするバス会社で、
ブルージュやアントワープなど北部の都市を廻る時にも、別の都市で購入したデ・レインの
回数券や同日であれば、1日券も使用することができます。
チケットは、国鉄の構内にあるキオスクやトラムのホームにある自動券売機、
「デ・レイン」の営業所などで購入します。
トラムのホームにある自動券売機は現金(ユーロ)のみなので、カードで購入する場合は営業所へ。
1回券(60分有効)は € 2,50なので、1日券(€ 7,50 )を購入してゲントと
この後行くブルージュで使用したのですが、翌日ブルージュを観光して後日アントワープ行くので、
回数券 € 16 (10回分)を買っておいたほうが良かったかもしれません。
バスやトラムの中には刻印機があるので、刻印を忘れずに!
回数券は1枚のカード(10回分)で複数で利用できるので、人数分を刻印します。
ゲントの街の中心部へのアクセス
駅を出て正面左手に中心部へ行くトラムの駅があります。
ゲント・シント・ピーテルス駅から街の中心へは徒歩30分、トラムで15分と少し距離があるし、
駅周辺にはなにも見学するものがないので、市内中心部までトラムで行くのがいいでしょう。
市内中心部の コーレンマルクト広場[Korenmarkt] へは1番のトラムに乗ります。
私たちは、2番のトラムで 聖バーフ大聖堂 [Sint-Baafskathedraal] へ向かいました。
駅周辺とは打って変わった市内中心部の景色・・・
遠くから高い塔を目指して聖バーフ大聖堂へと向かいます。
聖バーフ大聖堂
聖バーフ大聖堂は、 10 世紀に聖ヨハネを記念して建立されたゲント最古の教会です。
11 世紀に最初の木造教会がロマネスク様式の教会に建て替えられたのち、
現在のゴシック様式の大聖堂に建て換えられました。
レンガとみかげ石で組み上げられた大聖堂の外装は、ロマネスク様式、ゴシック様式、バロック様式の
3 つの建築様式の融合が見られます。
そして、ゲント生まれの神聖ローマ帝国・ローマ皇帝カール5世が洗礼を受けた教会でもあります。
天井がとても高く巨大で優美な教会の中には、繊細で美しいステンドグラスやタペストリー、
ルーベンスによって描かれた「聖バーフの修道院入門」など数世紀前の貴重な彫塑や宗教遺物、
絵画があふれています。
身廊右手の優美な説教壇は、デルボー作の「心理の説教壇」で、石で作られた彫刻とは思えないほど
躍動感があります。
礼拝堂の中に設置されたファン・エイク兄弟によるフランドル絵画の最高傑作「神秘の子羊」の
レプリカです。1432年に完成した「神秘の子羊」は、内側と外側を合わせて24枚の絵を組み合わせた
祭壇画で、2016年から修復作業が行われています。(2020年修復作業終了公開)
聖バーフ大聖堂 [Sint-Baafskathedraal]
場所:Sint-Baafsplein, 9000 Gent
教会見学時間:平日8:30~17:00、日曜日13:00~17:00
料金:無料
神秘の子羊礼拝堂見学時間:平日10:00~16:30、 日曜日13:00~16:30
料金:€ 5
詳しい情報は、聖バーフ大聖堂の公式ページから
ゲントの鐘楼
1999年に世界遺産に登録されたゲントの鐘楼は、14世紀兵士を召集する為に建てられてたそうです。
ゴシック様式で建てられた鐘楼の高さは95メートル、塔の先端には、14世紀後半に製作された
ドラゴンがゲントの街を見守るように設置されています。
ゲントの鐘楼は、聖バーフ教会、聖ニコラス教会とともにゲントの3塔に数えられています。
鐘楼にはエレベーターで登ることができます。
展望スペースからは、15分おきに響く鐘楼の音に耳を傾けながら、
美しいゲントの街を一望することができます。
ゲントの鐘楼 [Het belfort van Gent]
場所:Sint-Baafsplein, 9000 Gent
見学時間:10:00~18:00 (12月25日、1月1日を除く)
料金:一般 € 8 / 19~25歳 € 2.70 / 13~18歳 € 1.60 / 65歳以上 € 6 / 12歳以下無料
公式ページ
ゲント市庁舎
ゲント市庁舎 [Stadhuis Gent]
場所:Botermarkt 1, 9000 Gent
角度を変えてみると、いっけん別々の建物のように見えますが、ゲント市庁舎は、
16~18世紀の間に建てられたゴシック様式とルネッサンス様式の複合した建物です。
そして、1900年代になってから、フランドル伯の彫像が付け加えられました。
また、1576年ゲント講和条約が締結した場所としても有名です。
内部の見学は、ガイドツアーに参加する必要があります。
聖ニコラス教会
外観がお城のように立派な聖ニコラス教会。この教会は、トゥルネー地方産の青い石を使用して
13世紀、スヘルデ・ゴシック様式で建てられたゲントで最も古い教会です。
スヘルデ・ゴシック建築は、スヘルデ川周辺でしか見れないゴシック建築だそうです。
ブルーの石は、冷たさと重厚感があります。
教会内部は、美しいステンドグラスと立派な主祭壇。
教会に設置されたパイプオルガンは、19世紀の歴史あるもの。
ちょうどパイプオルガンが演奏されていて、教会により神聖な空気が漂っていました。
聖ニコラス教会 [Sint Niklaaskerk]
場所:Cataloniëstraat, 9000 Gent
見学時間:10:00~17:00
コーレンマルクト広場
コーレンマルクト広場 [Korenmarkt]
場所:Korenmarkt 18, 9000 Gent
コーレンマルクト広場は歴史地区の中心部にあり、歴史的建造物の中にカフェやスーパー、
レストラン、ショップなどが入り大勢の人で賑わう広場です。
この広場では、7月に 「Gentse Feesten」という音楽祭も開催されることで有名です。
ゲントの美しい中世の景観を楽しめる地区グラスレイ (Graslei )とコーレンレイ (Korenlei )と向かいます。
聖ミッシェル橋
聖ミッシェル橋 [Sint-Michielsbrug]
場所:Sint-Michielshelling, 9000 Gent
聖ミッシェル橋は、1905年から1909年にかけて完成した石造りのレイエ川にかかる橋です。
この橋の上からは、運河沿いに立ち並ぶ美しいギルドハウスを一望することができます。
街の中心部にを流れる大きなレイエ川を挟んで東岸がグラスレイ、西岸がコーレンレイです。
運河上には商人の船が頻繁に行きかい、中世の貿易の重要拠点だった場所です。
運河を挟み大富豪たちの邸宅が建てられている地区で、世界遺産登録の歴史的な建造物が複数あります。
グレスレイとコーレンレイのいくつかのギルトハウスは、ゲント マリオット ホテル
などの高級ホテルやカフェ、レストランになって運営されいるようです。
フランドル伯の城
12世紀に築城されたフランドル伯の砦で、フランドル地方に残る唯一の中世城塞。
実戦で損傷を受けることが殆どなかった為、ほぼ当時のままで残されています。
オーディオガイドを聞きながら、当時使われていた中世の武器、兜、拷問器具、ギロチン台などを
展示した博物館や王や王妃の使用したトイレなども見学コースに入っています。
そして、螺旋階段を登ると城の見張り台へ
ここは、鐘楼や教会、運河などゲントの街並みが見渡せる絶景スポット!
お城の見学も興味深いですが、この景色を見るだけでも一見の価値があります。
フランドル伯の城 [Het Gravensteene]
場所:Sint-Veerleplein 11, 9000 Gent
見学時間:10:00~18:00 (チケット売場~17:00)
休館日:12月24、25、31日、1月1日
料金:一般 €12、 学生19~25歳 € 7、 13~18歳 € 2 、12歳以下は無料
▶オーディオガイドは、料金に含まれています (残念ながら、日本語なし)
公式ページ▶フランドル伯の城のチケットオフィスの奥に無料トイレがあります。
橋の袂からは、運河めぐりのボート乗り場が沢山あります。
ランゲムント(Langemunt) 通りを金曜日広場へと向かいます。
この通りは、Primark、Sacha、 H&Mなどのファストファッションの店舗が並ぶ
ショッピングストリートなので、ちょっとしたお買い物ができます。
デュレ・グリート
デュレ・グリート [Dulle Griet]
場所:Grootkanonplein 5, 9000 Gent
デュレ・グリートは、フランドルの民間伝承の魔女にちなんでつけられた名前で、
ベルギーのワロン地方 モンス という町で造られた3つの中世の大砲の一つ。
スペイン継承戦争における戦闘の一つアウデナールデの戦いで用いられ、
ゲントから敵軍に持ち去られましたが、1578年返還され金曜日広場からほど遠くない
運河沿いの一角に記念碑として設置されています。
金曜日広場
金曜日広場[Vrijdagmarkt ]
場所:Vrijdagmarkt 12 Gent
広場の中央には、百年戦争初期にフランドル都市連合の指揮者となった政治家
ヤコブ・ファン・アルテフェルデの像。
この金曜日広場では、12世紀から続く野菜や果物のマーケットが
金曜日の午前中と土曜日の午後に開かれているそうです。
金曜日広場付近には、美しい色とりどりのギルトハウスが並んでいます。
歴史的建造物ギルトハウスは、現在店舗やカフェなどになっています。
ゲントでビールを飲むならここ!
デュレ・グリート(Dulle Griet )
場所:Vrijdagmarkt 50, 9000 Gent
金曜日広場に面して建つ「デュレ・グリート(Dulle Griet ) 」は、
250種類のベルギービールをそろえる老舗。
ここでしか飲めないデュレ・グリートというおいしいビールが飲めるだけではなく、
マックス(Max )という看板メニューがあります。
マックスというのは、1.2リットルの細長いグラスに入ったビール。
ビールを注文して片方の靴を保障に預けます。
保障というのはビールのグラスを割らずに飲み干せば、預けた靴を返してもらえるということです。
飲める自信のある方は、ぜひ挑戦してみてください。
まとめ
ページの写真からでも快晴の30度を超える暑さが伝わってくるのではないでしょうか?
今年は、異常気象で7~8月に行った都市は、どこも焦げるほどの暑さでした。
このゲントは日本の奈良に例えられる古都、とても美しい街です。
立派な中世の歴史的建造物が残された風情のある街並みの写真を撮ったり、
色とりどりの花が飾られた運河のほとりを散策したりするだけでも
満足した旅行になるはずです。
ベルギーの街のセレクトをするときは、ぜひこのゲントをお忘れなく‼
ブルージュやアントワープは、ブリュッセルとセットで行くことが多いですが、
このゲントは、選択外になることが多いようです。
ブリュッセルから40分ほどなので、ブルージュへ行く前やブルージュからの日帰りなどでも、
ぜひ立ち寄ってみてください。時間に余裕があれば、1泊してみたい都市です。
半日満足観光を終え、私たちは次の目的地 ブルージュ へと向かいます。