三国国境の街「スイス・バーゼル」を4時間で廻る観光スポット !
バーゼル (Basel) は、フランスとドイツの国境近くに位置する国際的で洗練された三国国境の街。
そして、なんと40以上の美術館がある芸術の街でもあります。
国境に近いといえば言語ですが、スイスは4か国語を話すと聞いたことがあります。
ドイツ語に似たスイスドイツ語、ドイツ語、フランス語、イタリア語が通じる場所もあるそうです。
もちろん国際的な街なので、英語も通じますが・・・。
日本人の私から見ると、言葉を方言のように覚えてしまう環境が羨ましいです。
今回は、ストラスブールからの日帰りなので数時間ですが、街の散策スポットを紹介します。
ストラスブールからバーゼルへのアクセス方法
ストラスブールから フリックスバス(Flixbus) を利用して、バーゼル へ日帰りで行ってきました。
フリックスバスは、ヨーロッパの多くの都市を結ぶ格安の長距離バスです。
バーゼル~ストラスブール間は、片道2時間40分。チケットは、 € 9.90(2019年7月の料金)でした。
2024年現在でも €10.98~購入できますが、日時によって料金は変動します。
鉄道を利用すると最短片道1時間20分なので、料金はバスの3倍ほどしますが、時間のない方は
鉄道の利用がお勧めです。チケットも レールヨーロッパ のオンライン公式サイトから購入可能です。
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[ FlixBUS ストラスブールの出発地 ]
エトワール公園付近のEurolineなどのバスが発着するバスターミナルです。
住所: Parc de l’Étoile, 67100 Strasbourg
アクセス: トラムA・D Etoile Bourse下車
バーゼル中央駅
バーゼル中央駅は、スイス国内だけでなくドイツ、フランス、オーストリア、イタリアからの
高速列車も発着する大きな駅です。
スーパー、両替所、ATM、荷物預かり、有料トイレ、飲食店、ショップなどがあるので、
街中のお店が閉まっている日曜日には大変便利な場所です。
ここで覚えておきたいのは、スイスの通貨はスイスフラン(CHF)です。
ユーロが使えるだろうと思ったのですが、スイスフランが無ければ駅の有料トイレも行けません。
慌ててATM機で現金を引き出しましたが、スイスはトイレも高いです。
確か 2 CHF程したと思います・・・現在 (2024年) のレートだと340円くらいなので高いです。
ちなみに、500mlのミネラルウォーターだって800円程するんですよね〜驚きです。
殆どの場所ではカードが使えますが、有料トイレなどは現金が必要なので、
駅のATMで、少額でもスイスフランを引き出しておくと安心です。
旧市街へのアクセス
中央駅の前にトラムのホームがあります。
ここから旧市街の入り口マルクト広場までトラム8,11番に乗ってアクセスします。
徒歩で17分程度なので歩けないこともないですが、後のことを考えてトラムを利用しました。
ホームの手前に自動券売機(英語表示・カート可)
があるので、ここでチケットを購入します。
何度も乗る必要がなければ、シングルチケット
(Short journey)は4駅迄なので、
マルクト広場前までアクセスできます。
Short journey: 2.60 CHF (2024年現在)
TNW公式サイト
マルクト広場
平日は広場に朝市が開かれているそうですが、日曜日に訪問したということもあり閑散としていました。
マルクト広場で目を引くのは、赤い市庁舎です。
日曜日なのに門が開いているので、中に入ってみました。
バーゼル市庁舎
マルクト広場でひと際目を引く建物が、「バーゼル市庁舎 (Basler Rathaus)」です。
市庁舎は、バーゼルがスイス連邦に加盟したことをきっかけに建てられた500年ほど前の建物で、
赤い外壁に時計塔と黄金の尖塔はとても華やかで存在感があります。
500年の歴史の中で何度か増改築が行われ、19世紀に現在の姿になったそうです。
内側も極めて華やかで、壁の装飾は、ドイツの芸術家ハンス・ボック(Hans Bock)が描いた
トロンプ=ルイユ(だまし絵) です。
旧市街の建物の殆どは16世紀に建てられたと聞きましたが、あまりにきれいで年代を感じません。
これは、完璧な修復を何度も繰り返しているからでしょうか...スイス人の性格ですね?
バーゼル大聖堂
広い敷地にどっしりと建つバーゼルのランドマーク的な存在である大聖堂は威厳があります。
バーゼル大聖堂は、12世紀に建てられたロマネスク様式のカトリック教会でしたが、
14世紀の地震で崩壊し、その後16世紀ゴシック様式で修復され塔が建てられてました。
緑と黄色の鮮やかな屋根瓦と赤い砂岩で造られたどっしりとした重みのあるバーゼル大聖堂の建設には、
ストラスブールの大聖堂の塔を建設した建築家( Ulrich von Ensingen)が携わっています。
赤い砂岩を使用したふたつの大聖堂の姿は、何か似たものがあります。
長さ65メートル、幅32.5メートルのゴシック様式の大聖堂内部は、ひんやりした厳かな空気が漂います。
大聖堂内部はシンプルですが、19世紀制作のキリスト洗礼の場面が施されたステンドグラスなど
色鮮やかで繊細なデザインが施されています。
大聖堂の塔には階段(有料)で上れますが、かなり狭く不規則な螺旋階段になっているようです。
地下のクリプタも見学できるようになっています。
緑の中庭をぐるりと取り囲む、バーゼル大聖堂の東側に隣接する修道院の回廊も見逃せないです♪
回廊の壁には墓碑が並び、床にもあるので、足元に注意です!
回廊奥のテラスからは、のどかなライン川沿いの風景も楽しめます。
バーゼル市立美術館
1671年に公開されたバーゼル美術館は、公立美術館としては世界最古の美術館です。
14~16世紀に活躍したルネッサンスの巨匠の作品を基盤に、19世紀に活躍したモネ、ピサロ、
ゴッホやピカソをはじめとしたキュビズムの作品、ドイツ表現主義、抽象表現主義、
20世紀のアンディー・ウォーフォールをはじめとしたアメリカンアートまで4千点の絵画と
30万点のデッサンを中心とする西欧絵画の歴史約700年を辿るコレクションが展示されています。
中庭には、ロダン(Auguste Rodin)作『カレーの市民 (Les bourgeois de Calais)』があります。
こちらは、オリジナルの鋳型から12個造られ、東京・上野の国立西洋美術館にも
12個のうちの1つが展示されています😊
本館と新館の2館がありますが、新館のキュビズムは見ごたえがあり、
ピカソの作品もかなり展示されていました。
年代とテーマに分かれて展示してあるのでとても見やすいですが、
美術館の敷地はかなり広く作品も多いので、じっくり見るとかなりの時間がかかります。
20年以上前からずっと行きたかったこのバーゼル美術館にやっと来られた私は、
バーゼルの観光時間を殆どこの美術館に費やしてしまいました。
本館・新館ともに無料のロッカーが設置されていて、
小型でもリュックサック型の荷物は、ロッカーに預けるように支持されます。
(写真右) チケット購入時にチケットとステッカーをもらいます。
このステッカーは、自分の服に張り付けて各入り口で係員がチェックするためのものです。
購入したチケットによってステッカーの色が違います。
カーニバルの噴水
バーゼル劇場の前にあるプール型の水辺に設置された10コのユニークな機械式噴水は、
旧市立劇場の舞台装置や小道具を使って造られているそうです。
ティンゲリーは、廃材を利用して機械のように動くキネティック・アート(動く芸術作品)
を制作するスイスの現代美術家で、日本にも来日したことがあります。
パリのポンピドゥーセンターに隣接する広場で、
ユニークな噴水を見た人もいるのではないでしょうか?
あの噴水もティンゲリーが制作したものの一つです。
カチャカチャと音を立てて忙しく動いている10個の噴水は
見ているだけで楽しくて涼しくなるので、木陰で一しきり見ていました。
ティンゲリー・カーニバルの噴水をユーチューブで見る:https://youtu.be/3-9PZYi_XPg
まとめ
バーゼルにいたのは4時間程なので、街のほんの一部しか見ていませんが、「安全でスマートな街」
という印象を受けました。
日曜日に訪れたせいもあり、街は人通りも少なく静かだったので、平日に来ればショップも開いていて、
街中を行きかう人々で賑わっていたのではないか...と思うと少し残念な気もしますが、
旧市街の路地歩きをするだけでも結構楽しかったです。
美術館巡りが好きな方は、40館以上もある魅力的なバーゼルで、ゆっくり滞在されてもいいかもしれません。
ホテル探しは、口コミ数が多い TripAdvisor などで探すのがお勧めです。
ストラスブールへ戻り、明日はTGVでドイツのマンハイムへ出発です。