殆どのツーリストは、首都ワルシャワとクラクフを観光して、他の国に移動するか
帰国してしまいますが、それ以外にもっと魅力的な都市がいっぱいあります。
ポーランドは物価も安く、都市間は高速列車(PKP Intercity)で簡単に移動できるので、
できるだけ多くの都市を見てみたいと思い、PKP Intercityを利用して5泊6日で
主要観光都市グダンスク、ポズナン、ヴロツワフ、クラクフ、ワルシャワを見学してきました。
このページでは、列車の種類や働き、予約方法などを詳しく説明したいと思います。
PKP Intercity について
♦ ヴロツワフ駅 [ Wrocław Główny ]
PKP Intercityは、ポーランドの主要都市や小都市をハイスピードで繋ぐ長距離列車で、
毎日350本以上の列車を運行しています。
日本でいうと新幹線、ヨーロッパでいうとTGV、TALLIS、ICE、Frecciaのようなものですが、
それとの違いは料金です。日本や西ヨーロッパを旅行するときは、格安の長距離バスで
移動の方法を探しますが、ポーランドでは列車で快適に移動ができます。
噂には聞いていましたが、ポーランドでこのようなハイテクの列車が
低価格で走っているとは思わなかったので驚きました。
5日間に利用したIC、EIC、EIPの車両は新しく、座席もゆったりとしたスーペースで
グダンスク~ポズナン間のICを除いては、殆ど時刻にも正確だったので、
この条件と料金で都市間を移動できるのは魅力的です。
列車の種類と機能について
主な列車の種類は、以下のようになります。
・EIP (エクスプレス・インターシティー・プレミアム/超特急)は、主要都市間を結ぶ国内高速列車
・EIC (エクスプレス・インターシティ/特急)は、主要都市や観光都市を繋ぐ高水準の列車
・IC (インターシティ/急行)は、上記の列車よりも料金が安く、TLKよりも高水準な列車
・TLK (準急)料金は、ICとほとんど変わらないが、ICより低水準な列車
というわけで、速い列車ほど料金が上がるということになります。
EICやEIPは、車内にWi-Fi機能があり、飲み物の無料サービス(2等車)、
軽食の無料サービス(1等車)もあります。
TLKは、スピードが遅く、車両も古く車内が暗いとかいう噂を聞いていたので、
IC、EIC、EIPしか利用しませんでした。
♦ ポズナン~ヴロツワフ間に利用したIC
♦クラクフ~ワルシャワ間に利用したEIP
座席は固定されていて回転しないので、進行方向に向かっていないこともあります。
座席の前にかなりゆったりとしたスペースがあるので、棚の上と足元に荷物が置けますが、
大きなスーツケースなどは車両と車両の間にスーツケース用スーペースがあります。
車内のアナウンスは、通常ポーランド語です。
英語のアナウンスが聞こえたのは、クラクフ~ワルシャワ間のEIPのみでした。
オンラインでのチケットの購入の仕方と注意
当日チケットは窓口で買えますが、かなりの列ができていて英語を話さない係員もいると
聞いていたので、 PKP Intercityの公式ページ(英語サイト) から購入しました。
1か月前から値引き料金のチケットが購入できます。
IC だと通常の料金の20%程度の値引きがあり、EIC/EIPは、Super Promoという
値引き料金が適応されると約30%引きでチケットを購入することができます。
アカウントの作成から説明します。
アカウントを作成しなくてもチケットの購入は可能ですが、
何度も利用する場合は、アカウント情報の入力の手間が省けます。「My account」をクリック
「Create an account 」をクリックして、ログインネーム、氏名、パスワード、メールアドレスを
入力するとメールアドレスにリンクが届くので、そこからPKP Intercity のサイトへ
1. PKP Intercityの公式ページ英語版を開く https://www.intercity.pl/en/
2. 出発地と目的地を入力する (都市の名前はポーランド語で入力する)
3. 日時を入力すると列車の種類と時刻、料金が表示されるので、希望の列車を選択する
4. 人数を入力して車両クラスを選択し、希望の座席があれば(窓側・通路側)を選択します。
(1等車と2等車がありますが、2等車で十分だと思います。)
5. 氏名とメールアドレスを入力し、カード決算へ進みます。
チケットは、メールアドレスにも届くので入力間違いがないように気を付けてください。
必ずプリントアウトして持参しましょう。
駅のホームには改札がなく、列車に乗ってからチケットの検査があります。
印刷したチケットと身分証明書の提示が必要です。
列車の表示と車両位置の表示について
♦ クラクフ中央駅 [ Krakow Glowny ]
駅の入り口や構内にはデジタル表示の時刻表があるので、ここで確認してホームへ
♦ワルシャワ中央駅ホーム [Warszawa Główna]
ワルシャワ中央駅には、ホームの中央に車両位置も表示されていますが、
他の4駅では列車の位置表示がなかったので、列車が到着してから車両を探すことになります。
ワルシャワ中央駅、クラクフ中央駅、ヴロツワフ駅のホームには列車のデジタル表示があり、
自分の乗る列車がどこのホームにつくかわかりやすかったのですが、ポズナン中央駅では
列車が来る間際にしかデジタル表示がつかなかったり、グダンスク中央駅は工事中で、
デジタル表示板もなかったりしたので、「このホームでいいのかな~」と不安な時もありました。
構内の表示板で確認してホームへ行きますが、乗る前に列車のドアに列車の番号と
車両番号が表示されているのを確認してから乗ることをお勧めします。
ポーランド5泊6日の日程
1日目 ローマ-12:25 ワルシャワ・モドリン空港着
15:20 ワルシャワ発-18:21グダンスク着 (グダンスク泊)
2日目 12:00 グダンスク発-15:08ポズナン着 (ポズナン泊)
3日目 9:04 ポズナン発-11:38ヴロツワフ着 (ヴロツワフ泊)
4日目 8:41 ヴロツワフ発-11:57クラクフ着 (クラクフ泊)
5日目 8:54 クラクフ発-11:14ワルシャワ着 (ワルシャワ泊)
6日目 14:55 ワルシャワ発-ローマ
まとめ
1日づつ移動する計画を立てたときは、「5泊5都市?」とイタリア人の知人にからかわれましたが、
高速長距離列車を利用することで、不可能なことではないのだとわかりました。
ただ、都市間の距離の長さを甘く見ていたので、1日づつの移動は結構しんどかったです。
ベルギーを1日づつ移動したときは、都市間の距離が1時間以内だったので観光に十分時間がありましたが、
ポーランドはベルギーと違い領土も広く、観光主要都市間の距離も長いので・・・
ですが、今回訪れたグダンスク、ポズナン、ヴロツワフ、ワルシャワ、クラクフの5都市とも
交通網が行き届き、チケットの購入方法もわかりやすく、時間の無駄なく観光することができました。
ローマ、ロンドン、パリなどの大都市でも券売機が故障してチケットが買えなかったり、
カードに対応していなかったり、おつりが出てこないなどのトラブルが多い中、
ポーランドの訪れた街ではこのようなトラブルにも会いませんでした。
街は清掃が行き届いていてきれいだし、治安も悪いとは思いませんでした。
物乞いやジプシーもいたし、「スリかな?」と思う人もいましたが・・・。
「どの街が良かったか?」と聞かれると、どの街もそれなりに魅力的だったので、
選択した5都市ともよかったです。
「もう一度訪れたい街は?」と聞かれれば、やはりグダンスクとヴロツワフでしょう。
ポーランドには、次回もっと時間をかけて滞在してみたいと思います。