ローマには900以上の教会があり、その中にはその地区の人しか訪れないような小規模のものもあれば、
世界各地から観光を目的に訪れる大規模なものまであり、その内装や墓や記念碑、礼拝堂などが
偉大な芸術家によって手掛けられたものがあります。
しかも、ローマの教会は無料で見学できるというのがなんともいいです。
このページでは、あのミケランジェロの彫像があるローマのサン・ピエトロ・イン・ヴィンコリ教会を
訪れてみました。ミケランジェロの彫刻があるというだけでも「すごい!」とおもいますが、
見どころはそれ以外にもあるので、紹介していきます。
サン・ピエトロ・イン・ヴィンコリ教会とは?
サン・ピエトロ・イン・ヴィンコリ教会は、コロッセオの近くのチェリオの丘にある小規模な教会です。
外から見ると「これが教会?」と疑問に思うほど、歴史地区で見る教会の華やかさはありません。
長い歴史を持つこのサン・ピエトロ・イン・ヴィンコリ教会は、5世紀に修道院の壁に囲まれる形で
建てられ、16世紀に現在の内装に改装されました。
内装も白を基調としたシンプルなもので、20本のギリシャ・ドーリア式の柱が3身廊を形成し、
天井は、美しいフレスコ画で装飾されています。
両壁にあるお墓の装飾などは、歴史地区の華やかな教会で見るものと違って興味を引きます。
ミケランジェロのモーゼ像
教会の右側の奥手にある大きな彫像が、ミケランジェロ作のモーゼ像です。
このモーゼ像は、当時の教皇ユリウス2世の墓の一部になる予定だったものです。
教皇ユリウス2世は、ミケランジェロに巨大な墓の製造を依頼したのですが、
同時期にサンピエトロ大聖堂の建設が重なり、この巨大な墓の計画を放棄することになります。
その時点で完成していたのが、墓の一部となるこのモーゼ像と2体の奴隷像。
現在、奴隷像の1体は、フィレンツェのアカデミア美術館、もう1体は、
パリのルーブル美術館に展示されています。
コイン(€ 1)を入れるとライトアップするので、たくましいモーゼ像を鑑賞できます。
ミケランジェロの3作品がローマで無料で見れる場所を紹介している記事へ
中央祭壇のフレスコ画
中央祭壇の後ろの壁3面には、左から「エルサレムの刑務所から天使による開放」、
「エウドキアが鎖を受け取る場面」、「エウドキアが法王に受け取った鎖を見せている場面」のフレスコ画。
左の「エルサレムの刑務所から天使による開放」は、
ヴァチカン美術館のラファエロによって描かれたフレスコ画を思わせます。
聖ペテロの鎖
この教会の、もう一つの見どころは鎖 。
中央の祭壇の下には、聖ペテロがローマとエルサレムの牢獄でつながれていた
2つの鎖が飾られており、鎖はイタリア語で Vincoli(ヴィンコリ)といい、
そこから サン・ピエトロ・イン・ヴィンコリ教会 (Basilica di San Pietro in Vincoli)
という名前がつけられたそうです。
サン・ピエトロ・イン・ヴィンコリ教会へのアクセス
地下鉄B線 「Cavour」下車、カブール通りからフォーリ・インペリアル通り方向へ向かって
50mほど進むと、左手に階段が見えてくるので、これを上ると教会の前に出ます。
バスを利用する場合は、 75、117番です。
サン・ピエトロ・イン・ヴィンコリ教会[Basilica di San Pietro in Vincoli]
場所:Piazza San Pietro in Vincoli 4/a Roma
見学時間:8:00~12:30/15:00~19:00(4月1日~9月30日) /8:00~12:30/15:00~18:00(10月1日~3月31日)