古代ローマ時代のドムスの上に 建てられた貴族の館「アルテンプス宮」

Palazzo Altemps, Romaイタリア

ナヴォーナ広場近くに位置するローマ国立博物館の一つ「アルテンプス宮」。

ルネッサンス時代の貴族の邸宅がそのまま残され、ローマ時代のドムス跡やプライベートの礼拝堂、
中世のフレスコ画の残る部屋に展示されたローマ・ギリシャ彫刻のコレクションを見ることが出来る
フォトジェニックな穴場スポットです!

混みあった美術館というイメージとは程遠く、森をイメージしたフレスコ画で装飾された回廊を散策したり、
部屋から部屋へと迷路のようになった展示室を、ゆっくりとを見学することが出来ます。

今まで訪れた中で最も興味深いローマの美術館のひとつ「アルテンプス宮」の見どころを紹介します。

アルテンプス宮とは?

Palazzo Altemps, Roma

15 世紀、古代ローマ時代のドムスの上にリアリオ家(Famiglia Riario)によって建てられた邸宅は、
その1 世紀後、オーストリア出身のマルコ・シッティコ・アルテンプス(Marco Sittico Altemps)枢機卿
によって購入され、「アルテンプス宮 (Palazzo Altemps)」となりました。

その後、1982年に文化遺産省の手に渡り、1997年にローマ国立博物館の一部「アルテンプス宮」として
一般公開されました。

アルテンプス宮では何が見れる?

Palazzo Altemps, Roma

木造の梁や当時のフレスコ画の残るアルテンプス宮には、アルテンプスコレクションを中心に、
エジプトコレクション、マッティコレクション、ルドヴィシコレクションなど16~17世紀にかけて
ローマのさまざまな貴族が所有していたギリシャ・ローマの彫刻の貴重なコレクションが展示されています。

Palazzo Altemps, Roma Palazzo Altemps, Roma

ギリシャ神話の中でも最も偉大な女神ゼウスの姉にして正妻であった・ヘラの像(左)と玉座(右)。

「ルードヴィシの玉座 (Trono Ludovisi)」は紀元前460年頃に制作されたオリジナルで、
海から引き上げられるヴィーナスの誕生と、両面にはフルートを吹く巫女、香をたく女が描かれています。

海から生まれ出るヴィーナスの海水に濡れた衣裳の繊細な線と重力までが伝わってくる美しいレリーフです。

Palazzo Altemps, Roma Palazzo Altemps, Roma

「ルードヴィシの石棺(Sarcofago Grande Ludovisi)」(左)は、西暦250〜260年頃に制作されたと
思われる非常に大きく深い浮彫の石棺です。

ローマ人とゴート族の戦闘シーンをレリーフにした石棺で、戦闘の叫び声やが聞こえてくるような
激しいシーンが巧妙な浮彫で表現されています。

妻を殺して「自害するガリア人」(右)の彫像は、紀元前1世紀に造られた大理石のコピーです。
戦いに破れたガリア人戦士が敵に捕まって辱めを受ける前に自分の手で妻を刺し、自分も自害する
悲劇的なシーンです。

ぐったりとした妻の重みとガリア人戦士の激しい感情が伝わってくる素晴らしい作品です。
この彫像は、カピトリーノ美術館 に所蔵されている「瀕死のガリア人」と一緒に出土されたそうです。

ローマ教会史上初のプライベート礼拝堂

Palazzo Altemps, Roma

サンタニチェート礼拝堂(Capella di Sant’Aniceto)は、17 世紀に造られたプライベートの礼拝堂で、
ローマ教会史上で初めて個人の邸宅に造られたものだそうです。

天国扉と人の心の扉を開けるカギをもつ天使や十字架を持つ天使など華やかな天使のフレスコ画で
装飾された天井やストゥッコ大理石、金の装飾、ステンドグラス迄、当時の権力と栄華が見られます。

古代ローマ時代のドムス跡

Palazzo Altemps, Roma

アルテンプス宮が古代ローマ時代のドムスの上に建てられていることが分かります。

ローマの街は古代ローマの街の上に造られているので、街歩きをしていると美術館だけでなく、
デパートの地下や様々な場所で遺跡を見かけることが出来ます。

ローマの中心部でお買い物をしながら古代遺跡が無料で見れます!
老舗デパート「リナシェンテ (トリトーネ店)」の地下にはローマ古代遺跡が⁉

Palazzo Altemps, Roma

19世紀の後半から20世紀にかけて活躍したテノール歌手・エヴァン ゴルガ(Evan Gorga)が収集した
石油ランプや骨、象牙、塗装石膏、ガラス、建築用テラコッタ、陶器や青銅のオブジェ、
大理石のインレイ、玩具、硬質の花瓶、エジプトの古代遺物まで...
百科事典で見るような​​幅広い考古学的コレクションが展示されています。

彼のコレクションは150,000点にもあまり、そのうち40,000点は考古学的に重要なものだったそうです。
そして、収集品を所蔵する為にローマに10ものアパートを借りなければならかったそうです。

無料見学日について

ローマの国立・市立美術館は、毎月第一日曜日が見学無料です。

コロッセオやサンタンジェロ城のような有名な観光スポットと違い、日本のガイドブックでも
あまり見かけない穴場スポットなので、無料見学日でも混雑を避けてゆっくりと美術鑑賞ができます。

予約の必要もなく、列に並ばず入り口でフリーチケットをもらい入場できるので、
時間に余裕があれば、是非見ていただきたいお勧め美術館です!

また、有料の日でも ローマパス を持っていると無料で入場できます。

チケットは、アルテンプス宮のみで8ユーロ、他のローマ国立博物館3施設(マッシモ宮・クリプタ・バルビ・ディオクレティアヌス帝の浴場跡)との共通券は、12ユーロです。
購入日から1週間有効なので、長期滞在であれば共通券を購入するのがお得です!

基本情報とアクセス方法

Palazzo Altemps, Roma

ローマ国立博物館・アルテンプス宮 [Museo Nazionale Romano Palazzo Altemps]
所在地:Via di Sant’Apollinare, 8 Roma  Google マップで確認する
見学時間:火~日曜日 11:00~18:00(最終入場17:00)
入場料:一般 8ユーロ / 4館共通券(1週間有効)12ユーロ
*毎月第1日曜日は見学無料(予約なし)
交通アクセス:Bus C3, 30, 70, 81, 87, 116, 130, 186, 492,628
Museo Nazionale Romano Palazzo Altemps 公式サイト

error

Enjoy this blog? Please spread the word :)

タイトルとURLをコピーしました