ウンブリア州の丘上都市オルヴィエートの散策スポット

orvieto

オルヴィエートという街の名前を聞いたことがありますか?

イタリアのほかの観光都市と違って知名度は低いですが、ローマ時代の貴重な遺跡やエトゥルリア人の
歴史にも深くかかわり、16世紀ローマ劫掠の時には教皇の避難場所ともなったオルヴィエートは、
凝灰岩の断崖絶壁に造られた美しい丘上都市です。

石畳の小さな路地の散策は、都会の観光地では見られない中世の面影を残した
美しい街並みを見ることができます。

ローマから日帰りで簡単にアクセスできるオルヴィエートの魅力を紹介します。

ローマからオルビエートへのアクセス

オルヴィエート駅

ローマから日帰りで気軽に行けるウンブリア州のオルビエートは、
ローマ・テルミニ駅から IC (インターシティ/特急)、RV(レジョナーレ・ベローチェ/準急)で
1時間15分程で乗り換えなしで行けるので、初めての一人旅でも簡単にアクセスできます。

駅を降りたらケーブルカー(フニコラーレ)に乗り、丘の上にあるオルビエートの歴史地区へと向かいます。

オルヴィエート オルヴィエート

ケーブルカーは10分間隔で運行していて丘の上までの所要時間は約2分なので、あっという間に到着です。

オルヴィエート

運行時間:平日 7:15~20:30、日・祝日 8:00~20:30
チケット:€ 1.30 (6歳以下無料)

ケーブルカーの駅を出たら、「サンパトリツィオの井戸」に向かいます。
この井戸は、オルヴィエートに来たら絶対見ておきたい見学スポットの一つです。

井戸についてから引き返すことのないように、チケットは駅を出て右手のチケットオフィスで
予め購入してから行きましょう。

サンパトリツィオの井戸

サンパトリツィオの井戸、オルビエート

1527年ローマ劫掠(Sacco di Roma)の際、当時の教皇クレメンス7世がオルヴィエートに避難し、
水源となる井戸を建設するように若い建築家アントニオ・ダ・サンガッロに命じて造らせたのが
このサンパトリツィオの井戸です。

その当時は、「Pozzo della Rocca (要塞の井戸)」と呼ばれていました。

要塞という名前通り、井戸というには大きくて頑丈そうです。

サンパトリツィオの井戸、オルビエート

井戸の深さは53mなので、かなり深いです。
この深い井戸に降りていく螺旋階段は、非常に緩やかで幅も広く上りと下りの人が行き違わないように、
二重螺旋階段になっています。
設計者・サンガッロは、ヴァチカン美術館の螺旋階段からヒントを得たそうです。

サンパトリツィオの井戸、オルビエート

井戸の中はひんやりとしているので、暑い時期はこの中で涼みながら見学ができます。
階段の幅はロバの歩調に合わせているので、通常の階段を上り下りするのと違い結構体力がいりますが、
私の父(83歳)が、この階段を下りて上ってきたので、若い方は大丈夫だと思います。

サンパトリツィオの井戸 [Pozzo di San Patrizio]
場所:Piazza Cahen, 5B
見学時間:1、2、11、12月:10:00~16:45、3、4、9、10月:9:00~18:45、5、6、7、8月:9:00~19:45
入場料金:一般 € 5 €、 3.50(65歳以上、学生)、6 歳以下無料

オルヴィエート大聖堂

Duomo di Orvieto

オルヴィエート観光のメインは、イタリアのゴシック建築を代表するオルヴィエート大聖堂

正面のファサードは、美しいモザイクとバラ窓を囲む大理石の彫像群、
ブロンズ像で鮮やかに装飾されています。

大聖堂の完成までにはシエナの大聖堂のプロジェクトチームの1人であったロレンツィオ・マイターニや
アンドレア・ピサーノを筆頭に20人の技術者が携わり、300年の歳月がかけられたそうです。

Duomo di Orvieto

大聖堂の内部は3身廊のラテン十字架の形をしており、大聖堂を支える壁と円柱は玄武岩とトラベルティーノ
(大理石の一種)が使用されてのストライプ状のデザインです。

ロレンツィオ・マイターニがプロジェクトの一人であるということから、このような内装をシエナの大聖堂で
見たことを思い出しました。

Duomo di Orvieto

サンブリツィオ礼拝堂を飾るフレスコ画は、フラアンジェリコ、ベノッツォゴッツォリ、ペルジーノ、
ルカ・ニシニョレッリによって描かれています。

ルカ・ニシニョレッリによる傑作「最後の審判」(1500~1503年)は、ミケランジェロが
後にシスティーナ礼拝堂に描く「最後の審判」に大きく影響を与えたといいます。

オルヴィエート大聖堂 [Duomo di Orvieto]
場所:Piazza del Duomo, 26
見学時間:11、2月:9:30~17:00 (日・祝日13:00~16:30)/ 3、10月:9:30~18:00(日・祝日13:00~17:30)、
      4~9月:9:30~19:00
入場料金:一般 € 4 / 共通券 € 5 (大聖堂、宝物殿、礼拝堂、聖アゴスティーノ教会)、10歳以下無料
公式サイト

マウリツィオの塔

Torre di Maurizio,orvieto

大聖堂から右手の通りの入り口に立つ塔は、マウリツィオの塔 (Torre di Maurizio)です。
時計付きの塔としては、イタリアで最も古いものの一つです。

塔の上には、1351年に設置された機械式の時計が今でも稼働しており、
自動で鐘撞人がハンマーを振りあげ、鐘をつく仕掛けになっています。

Torre di Maurizio,orvieto

ドゥオーモ広場からオルヴィエートの西側歴史区へと入っていきます。
この辺りは、工芸店やお土産店などのショップや多くのレストラン、カフェなどで賑わう通りです。

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モーロの塔

Torre del Moro,orvieto

地上から50m近くあるテラスからは、オルヴィエートの美しい街並みを360˚見渡すことができます。
テラスへのアクセスは、エレベーターと階段を利用します。

Torre del Moro,orvieto

モーロの塔 [Torre del Moro]
場所:Corso Cavour, n° 87
見学時間:3、4、9、10月 10:00~19:00/ 5~8月 10:00~20:00 / 11~2月 10:30~16:30
入場料金:€ 2.80 (10歳以下無料)

 

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オルヴィエートは、ただ路地を歩いているだけでも楽しくて、撮影スポットにもなります。
そして、都会のお土産屋さんにはないような、かわいいお土産も見つかります。

中世の面影を残した石畳の路地を入っていくと、いろいろな工房が並んでいて店の構えなども個性的です。

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木工細工、ガラス細工、革工房などが並び、小さな路地には木馬や可愛い木製のベンチ、
工房のドアも凝ったデザインで造られています。

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オリーブオイル、オルヴィエートワイン(白ワイン)、トリュフ、生ハムなどもオルヴィエートを代表する
食材なので、ほかの都市の食材と食べ比べてみるのもいいですね。

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まとめ

オルビエートは日本ではあまりメージャーな街とはいえませんが、世界一美しい街とも呼ばれており、
この小さな丘上都市にはオルヴィエート大聖堂や高度な技術が使われたサンパトロツィオの井戸などの
見逃せない観光スポットも揃っています。

都会の観光地と違い、あくせくと交通機関を乗り継ぐ必要がなく、のんびりと路地を歩くだけでも
素敵なシャッターポイントに出会います。

ローマから日帰りで簡単にアクセスできるので、中世の美しい町を訪れたい方にお勧めです。

 

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