札幌から日帰りできるレトロな運河の街「小樽」の半日散策スポット!

航路の要として栄えた港町小樽。
小樽には江戸時代からから昭和初期にかけて建てられた歴史的な建造物が美術館やショップ、カフェ
などで利用されていたり、北海道の開拓に重要な役割を果たした手宮線跡地や小樽運河など
古き良き小樽の街を再確認できるような散策スポットが数多くあります。
そして、ヨーロッパの街並みを思わせるメルヘン交差点周辺では、小樽土産のガラス製品や可愛い
オルゴール店でのショッピングやスイーツを楽しむこともできます。
このページでは、札幌から小樽までのアクセスと、半日で廻ったレトロな運河の街「小樽」の散策スポット
を紹介します。
札幌から小樽へのアクセス
札幌から小樽へは JR・高速バス・車でアクセスできますが、JRが一番早いアクセス方法です!
普通列車は30分おきに出発していて、小樽までの所要時間は約47分、料金は750円です。
JR快速エアポートより12分長く乗りますが、運賃にかなりの差があります。
ちなみにJR快速エアポートは、所要時間は約分、料金は1,280円です。
乗り換えなしで小樽駅まで行く事ができます。
小樽の散策マップ
小樽駅からスタートして南小樽駅へ着くように廻るか、その反対に南小樽駅からスタートして小樽駅に
着くようにして廻れば、同じルートを辿らずにスムーズに観光できます。
南小樽駅付近は、かなり急な坂道なので、南小樽駅からスタートして小樽駅に着くようにして廻れば、
急な上り坂を避けることが出来ます!
小樽駅
札幌から約1時間、小樽駅に到着しました。
1934年(昭和9年)に建設された小樽駅は、道内最古で国の登録有形文化財となっています。
それほど大きな駅ではありませんが、改札口の上の窓やホームに美しいランプが飾れていて、
とても幻想的です。
このランプによる構内の装飾は、1987年(昭和62年)当時の駅長が、小樽駅に特色を持たせたいと考え、
北一硝子に依頼し108のランプが駅へ寄贈されました。
その後、新たなランプが寄贈されたため、現在333個の北一硝子のランプが構内の窓を華やかに
飾っているのだそうです。
手宮線跡地
小樽駅から小樽運河へと向かう途中に出会うのが、「手宮線跡地」です。
手宮線とは、1880年に開通した手宮~札幌~幌内を結ぶ幌内鉄道の一部で、石炭や物資などが
運ばれていたこの路線は、小樽から三笠の幌内まで結ばれており、北海道で最初の鉄道開業区間の
一部だったそうです。輸送手段がより便利なトラックなどに変わり、1世紀あまり続いた鉄道の歴史に
幕が降り、手宮線は1985年に廃線になりました。
レトロな手宮線跡地はフォトジェニックなスポット!
廃止となった旧手宮線のうち1.6 kmの線路が散策路となっていて、線路を辿って歩くことができます。
遮断機などの遺構が残され整備されたレトロな散策路は、フォトジェニックなスポットです。
手宮線跡にある遊歩道の終着点は、「寿司屋通り」です。
歴史的建造物
1983年(昭和58年)、小樽で景観地区保全条例が制定され、現在では75棟が「小樽市指定歴史的建造物」
に指定されています。その中で偶然前を通りかかった2軒です。
田中酒造店
昭和初期の雰囲気のまま営業を続けている「田中酒造店」。
1927年(昭和2年)に建てられたレトロな木造建築は、かつての小樽に多く存在した酒造店の店構えを
残した珍しいものだそうで、平成元年には小樽市都市景観賞を受賞しています。
小樽運河プラザ(旧小樽倉庫)
石と煉瓦で組み上げられた建物は、1890〜1894年(明治23~27年)に倉庫として使用されていました。
倉庫というにはあまりにも重厚で豪華な造りで、三つの大きな石造りの倉庫が連なっています。
現在は、運河プラザ(小樽市観光物産プラザ)と小樽市総合博物館運河館として利用されており、
運河プラザでは、2012年(平成24年)4月から「国際インフォメーションセンター」が設置され、
車椅子の貸出しや、小樽・後志エリアのパンフレットやマップが用意されています。(外国語版あり)
一番庫と二番庫には古いマッチのコレクションや小樽とその近郊の特産品などの物産販売店、カフェ、
中庭があり小樽市総合博物館運河館へと続きます。三番庫はコンサート会場になっています。
北運河
観光客で賑わう小樽運河に比べて、小樽の素顔が見られる落ち着いた場所です。
北運河は埋め立てられることなく本来の40mの幅を保っているので、現在でも多くの作業船や小型船が
係留されていています。周辺には、明治時代に建てられた旧右近倉庫や旧澁澤倉庫が残されており、
レトロな雰囲気が漂います。
小樽芸術村
小樽芸術村は、明治後期から昭和初期にかけて「北のウォール街」と呼ばれ、北海道経済発展の基礎を
築いた「旧高橋倉庫」、「旧三井銀行小樽支店」、「旧北海道拓殖銀行小樽支店」の建物が、
2017年(平成29年)美術館になってオープンした場所です。
旧三井銀行小樽支店
旧三井銀行小樽支店は、1927年(昭和2年)に竣工し、小樽市最後の都市銀行として2002年(平成14年)まで
営業していました。「旧三井銀行小樽支店」の天井全面には、30分~1時間毎に(季節によって時間が異なる)
日本の四季を表現したプロジェクションマッピングが上映され、歴史的建造物と現代のアートの融合を
楽しむことができます。
似鳥美術館
旧北海道拓殖銀行小樽支店は、建築家であり営繕官僚として国会議事堂の建設にも携わった矢橋賢吉を
中心とした大蔵省営繕管財局によって1923年(大正12年)に施工されました。
鉄筋コンクリート造地下1階地上4階建ての建築であり、入り口正面の円柱は重厚感があります。
現在は、似鳥美術館として利用されており、2階には高村光雲とその弟子たちの木彫、
3階は岸田劉生をはじめとする日本・海外の洋画、4階は横山大観、川合玉堂などの日本画、
そして地下にはアールヌーヴォー、アールデコグラスギャラリーの4棟を、
それぞれの時代を華やかに彩ってきた日本や世界の美術品、工芸品が展示されています。
ステンドグラス美術館
「小樽ステンドグラス美術館」は旧高橋倉庫を利用しています。
19世紀後半から20世紀初頭のイギリスの教会に、実際に飾られていたステンドグラス70組、
140点が展示されています。
1階と2階の壁全面にサイズや形の異なった、華やかで繊細なステンドグラスが展示されていて、
まるで宝石箱の中にいるようです。
近年、イギリスで多くの教会が取り壊された中、これらの作品は破壊を免れ、小樽に辿り着き
ステンドグラス美術館に展示されました。
ステンドグラスに描かれた図像や文字には、ヴィクトリア女王の統治していた華やかな時代から
エドワード朝時代、そして第一次世界大戦へと進んでいくイギリスの歴史が凝縮されています。
小樽運河
重厚な倉庫とガス灯の立ち並ぶ小樽運河は、小樽のレトロな姿が見れる人気観光スポットです。
小樽運河は、荷揚げするための艀(はしけ)が、直接倉庫の近くまで入って行けるよう造った水路です。
運河沿いには重厚な倉庫が当時の姿のまま立ち並び、レストランなどに再利用されています。
運河沿いの遊歩道には63基のガス灯が立ち並び、北海道開拓の歴史を語るブロンズの記念碑が
並べられています。
レトロな小樽の街並みを運河から見る小樽運河クルーズで、小樽の景色を楽しむのもいいと思います。
クルーズは40分ほどですが、船長さんによって小樽の歴史も説明してもらえるので、
ただ歩くだけでは気づかない小樽運河の魅力を知ることができます。
また、ライトアップする夕暮れ時の幻想的な運河の景色は、旅の最高の思い出になります。
小樽出抜小路
この屋台村の名称は、色内大通りより一本運河側にある「出抜小路通り」にちなんでつけられています。
かつて小樽銀行協会の建物があった場所に明治・大正のレトロ調の建物などが建てられ、
小樽が繁栄していた古き良き時代が再現されています。
敷地内には明治時代に市内の入船町にあった望楼・火の見櫓をモデルに建てられた展望台があり、
無料で入ることができます。展望フロアからは、小樽運河を見渡せるようになっています。
小樽堺町通り
古い商店やガラス店、スイーツのお店や飲食店の並ぶ賑やかな通りで、レトロな看板や内装などが見ら
散策するのにぴったりの通りです。ガラス製品の老舗「北一硝子三号館」もこの通りにあります。
小樽駅方面からこの堺町本通りを小樽オルゴール堂へ向かって進むと、小樽駅を終点地にスムーズな
観光ができます。
北一硝子 「三号館」
石油ランプの製造から始まった北一硝子は110年以上の歴史を持つ老舗で、アイテム数の豊富さと
上質さに定評があります。和風・洋風・カントリー調のガラス製品がずらりと並ぶ「三号館」は、
かつて漁業用倉庫だった明治期の石倉を改装した建物で、167個の石油ランプが灯る、
カフェも人気スポットの一つとなっています。
メルヘン交差点
メルヘン交差点の正式名称は堺町交差点と言い、五叉路になっています。
石畳や石の建物が立ち並ぶ様子は、中世のドイツを思わせるメルヘンチックな街並みです。
ここからは、5分強で南小樽駅へアクセスできます。
小樽オルゴール堂
歴史的な建造物を利用して1989年にオープンしたのが「小樽オルゴール堂」。
入り口には珍しい「蒸気時計」が15分ごとに白煙を上げ汽笛を鳴らしています。
店内には約3400種類のかわいいオルゴールが並び、まるでメルヘンの世界に入ったようです。
オルゴールの歴史を紹介するジオラマや、アンティークなオルゴールも展示されています。
メルヘン交差点から南小樽駅へは、小樽市民の生活を垣間見ることのできる住宅街を通っていきます。
駅付近には「三本木急坂(さんぼんぎきゅうざか)」という名の通り、傾斜8度の長くて急なのぼり坂が続き、
終盤はヘトヘトになって駅に到着しました。南小樽から出発した方がよかったかな~と思ってます。
南小樽駅
車窓から眺める海岸沿いの景色は、ノスタルジックな気分になります。
まとめ
小樽の街には、江戸時代から「北のウォール街」といわれた時期の歴史的建造物が多くみられ、
ノスタルジックな雰囲気を味わいながら、のんびりと散策するだけでも楽しい街です。
札幌から日帰りであわただしく散策しましたが、レトロな街・小樽はとても魅力的な街でした。
次回、来る機会があればゆっくり1泊して、北海道三大夜景の一つ「天狗山からの夜景」も
眺めてみたいです。