城壁と塔に囲まれたエストニアの首都・タリン歴史地区の半日散策スポット
ラトビアの首都リガから長距離バス Lux Expressで4時間25分、バルト三国・エストニア(Estonia)の
首都タリン(Tallinn) にやってきました。
タリンのイメージは、オレンジのとんがり帽子の防衛塔と旧市街を囲む城壁...
そして、石畳づくりの路地が交わってできた中世の面影を残す街。
複雑な歴史をもつタリンが世界遺産に登録されたのは1997年。
コンパクトな旧市街を半日散策してみました。
タリン・バスターミナルから旧市街へのアクセス
場所:Lastekodu 46, 10144 Tallinn
旧市街の入り口ヴィル門までは徒歩25分、トラム利用で15分。
バスターミナルから1番近いトラムの停留所は、Bussijaam トラム2番か4番に乗ります。
• トラム4番 (Tondi行き) 4つ目の停留所 Viru で下車
• トラム2番(Kopli行き) 4つ目の停留所 Mere Puieste で下車
シングルチケット €2 は、車内で運転手から購入できます。
お釣りはもらえないのでコインを用意する必要があります。
QRチケットを購入するとシングルチケットは € 1 pilet.ee をAppにダウンロードしておくと便利
公式サイトから購入しメールアドレスを登録するとQRチケットがメールに届きます。
車内で刻印機にQRコードをかざして有効にする必要があります。
参考サイト
ヴィル門
タリン旧市街への入り口「ヴィル門 (Viru Varav)」をくぐって中世の街へタイムスリップ!
門の入口付近は花屋さんの店舗が軒を並べ、城壁の周辺にはオシャレなカフェやレストラン、
マクドナルドまであり、大勢の人で賑わっています。
レストランで腹ごしらえをしてからタリン観光へ出かけます。
へレマン塔と城壁(セーターの壁)
名称:へレマン塔と城壁(セーターの壁)[Hellemanni torn ja linnamüür]
場所:Müürivahe 48, 10140 Tallinn
旧市街を囲む塔と要塞、「セーターの壁」と呼ばれる壁に沿ってマフラー、帽子、セーターなど
エストニアの伝統工芸ミトンの露店がずらりと並んでいます。
露店の途切れたところに城壁へ上がる入口があり、回廊の散策を楽しむことができます。
聖カタリーナ通り
カタリーナ通りは、石畳の続く小径に石造りのアーチが架かったフォトジェニックな場所です。
16世紀にあった聖カタリーナ教会のオリジナルの断片や墓石などが残され、タリンの旧市街の中でも
独特な雰囲気を味わえます。
現在、カタリーナ通りは、ガラスや陶器、皮細工、帽子、ジュエリーなど、カタリーナ・ギルドの拠点として
職人・芸術家たちの工房が集まっています。
聖霊教会
聖霊教会は、14世紀に建てられたタリンで最も古いゴシック様式の教会です。
六角形の塔、ファサードの大時計などは、16世紀に付け加えられた独特なデザインです。
内部は美しい木造装飾で、エストニア最古の説教壇が設置されています。
市議会薬局
名称:市議会薬局 [ Revali Raeapteek ]
場所: Raekoja plats 11, 10146 Tallinn
市議会薬局(Revali Raeapteek)は、1422年に創業し600年以上同じ建物で営業を続けている
ヨーロッパ最古の薬局だそうです。
レトロな店内では、通常の薬や、基礎化粧品、ハーブティーに加え、中世からの販売記録のある
クラレット(Klaret)という8種類のスパイスが入った「長寿のワイン」や「失恋の治療薬」として
販売されていたマジパンなども販売されています。
マジパンが失恋の治療薬というのも驚きですが、中世には失恋も薬で治せたんですねーすごい!
薬局に隣接した建物は展示室になっていて、ハリーポッターの世界へ入ったようです。
ワニの剥製、蛇のホルマリン漬け、乾燥したカエルの足、薬草など...
17~20世紀の医学にまつわる器具や中世から伝わる秘伝書が陳列されています。
こちらは、見学無料です。
ラエコヤ広場
名称:ラエコヤ広場 [ Raekoja plats ]
場所:Raekoja plats 1, 10146 Tallinn
カフェ、レストラン、お土産店などが建ち並ぶ市庁舎広場「ラエコヤ広場 (Raekoja plats)」。
広場を囲む建物の窓にはユニークな装飾がされていて、見るだけでも楽しいです。
広場の中央にはエストニア伝統工芸のミトンやニット、帽子、アクセサリー、お土産などの店舗が並び、
大勢の人たちで賑わいをみせています。
冬はクリスマスマーケットが開催され、15メートルもの大きなクリスマスツリーが立つそうです。
広場に初めてクリスマスツリーが立ったのは1441年だそうです。
また、ラエコヤ広場 は中世には市民の集会の場であり、処刑場としても使われていたといわれます。
旧市街の ウォーキングツアー に参加して、タリンの歴史を聞きながら観光するのも面白いかと思います。
タリンの城壁
名称:タリンの城壁 [ Tallinna linnamüür ]
場所:Väike-Kloostri 1, 10133 Tallinn
旧市街を囲む1.9kmに及ぶ城壁はオリジナルで、20の防衛塔と2つの門が残っています。
タリンに初めて城壁ができたのは13世紀前半、木造で造られたそうです。
タリンの城壁が現在の形になったのは14世紀。16世紀前半には長さ2.4km、高さ14~16m、
厚さは最大3mに呼ぶ強固な城壁と46の防衛塔を形成していたそうです。
防衛塔のいくつかは見学することができ、各塔ユニークな名前が付いています。
タリンとは、エストニア語で「デンマーク人の城」という意味で、
13世紀にデンマーク人に占領され街が造られたことからきています。
その後ドイツ、スウェーデン、ポーランド、ロシアなどの強国の支配下に置かれ、
ハンザ同盟都市として中世に繁栄しました。
タリンは、この強固な要塞があったからこそ13世紀後半から15世紀の
繁栄の跡が残されているといってもいいでしょう。
三姉妹
リガでは三兄弟という建造物がありましたが、タリンでは三姉妹です。
三姉妹は、14世紀に建てられた商家の住居で、3軒が寄り添うようにすらりと立っている様子が
女らしいということから「3姉妹 (Kolm Ode) 」となずけられたといいます。
中世の趣を残したエストニア建築で改装された5つ星ホテルとして営業されていましたが、閉館しました。
The Three Sisters [三姉妹]
場所:Pikk 71-73, 10133 Tallinn
スール・ランナ門・太っちょマルガリータ
名称:スール・ランナ門・太っちょマルガリータ タリン [Suur Rannavärav ja Paks Margareeta]
「太っちょマルガレータ」の愛称で親しまれている城壁の北門(スール・ランナ門)の
横の丸くどっしりとした塔は、過去砲塔、倉庫そして牢獄として使用されており、
現在海洋博物館になっています。
「太っちょマルガレータ」という愛称は、牢獄時代囚人の世話をしていた太った女将にちなんで
付けられたそうです。ちょっと失礼ですよね!
エストニア海洋博物館 [Eesti Meremuuseum]
場所: Pikk 70, 10133 Tallinn
見学時間:10:00 ~ 19:00
公式サイト
タリンの旧市街は、不規則な大きさの石畳にパステルカラーのかわいい建物、
複雑な路地からできていますが、街はコンパクトで徒歩で散策するにはちょうどいい大きさです。
どこを歩いていても、シャッターに収めたくなる素敵な風景に出会います。
私たちはリガから移動して、13時頃このタリンに到着したので1泊しましたが、
ヘルシンキからフェリーで2時間という移動しやすい距離なので、
ヘルシンキからの日帰りも可能ですが、街の見学後には泊まっておけばよかったと思うはずです。
ヴィル門や聖霊教会付近にあるスーパーrimi expressで見つけたエストニア産Kalev の
チョコレートは € 1 。パッケージやかさも低くさもお土産にはもってこいです。
タリンの宿泊施設
タリンは、多くのフィンランド人が週末に休暇を過ごす街なので、リガに比べるとほんの少し割高です。
旅行者の選んだタリンの人気ホテルを TripAdvisor でみる
私達は旧市街のセーターの壁、聖カテリーナ通りからほど遠くないアパートメントを借りました。
アパートメントは、ベッドルーム、キッチン、バスルームとほど良い広さで、WiFi、ドライヤー、アイロン、
タオルなど必需品はすべて揃っているうえ、ホテルよりも料金が安いことがメリットです。
しかも、旧市街の中心部という便利な立地で、エストニアに住んでいるような気分が味わえます。
ただし、タリンもリガと同じく石畳造りで、石のサイズが大きく不規則なので、
旧市街でスーツケースを引くのに困難しました。
タリンで1泊し翌朝(6日目) 、ヘルシンキへと向かいます。
旧市街から港へは徒歩で20分の距離ですが、適当な交通機関がなく、upp からダウンロードしておいた
Uber を予約しました。正確な時間に迎えに来てくれて港まで € 5 だったので助かりました。
ユーザー登録しておくと、大変便利です。
どこでも wifi が使えると心強いので、ついでにヨーロッパ対応の eSIM や グローバルWiFi を
用意しておくことをお勧めします。
シリヤラインでタリンからヘルシンキへ
タリン (Tallinn) とヘルシンキ (Helsinki) は85キロしか離れておらず、高速船で片道2時間の
距離なので、ヘルシンキを拠点としてタリンへの日帰りやバルト三国周遊の旅も
意外と低価格でできてしまいます。
ヘルシンキータリンの往復チケット は、 Get Your Guide 公式サイトからも購入できます。
また、列車やフェリー、バス、航空券の検索は、Omio のアプリ をダウンロードしておくと便利です。
交通機関のチケットを一括で比較検索できるので、格安料金が一目でわかるのと、モバイルチケットで
移動できるので、チケットをプリントアウトして持参する必要もありません。
今回は、タリンとヘルシンキ間もシリヤラインで「メガスター号」を利用しました。
レストラン、カフェ、ショップ、免税店、キャビン、キッズルーム、ラウンジ、ロッカーなどの
設備があります。
2時間ほどの距離なので、キャビンの利用は必要ないと思いますが、
船内のシッティングラウンジも広々としていて、1日に数便出航しているので、
座るところがなくて…ということは、まずないと思います。
まとめ
5泊6日でヘルシンキ(フィンランド)、ストックホルム(スウェーデン)、リガ(ラトビア)、
タリン(エストニア)の4か国4都市を急ぎ足で廻りましたが、フェリーやバスを利用したことで、
バルト三国がとても身近に感じました。
飛行機を利用すれば短時間でアクセスできますが、あっけないものなっていたかもしれません。
フェリーを利用すれば移動に時間がかかりますが、移動とホテル料金がセットなので、
低価格に上がるだけでなくゆったりとリラックスした時間も過ごせました。
次回、リトアニアの首都ヴィル二ウスも含めて、もう一度行ってみたいルートです。