街ごと世界遺産!1日で廻るフィレンツェの観光スポット!
![Firenze](https://i0.wp.com/readytoland.com/wp-content/uploads/2021/03/firenze.jpg?fit=728%2C410&ssl=1)
ルネッサンスの発祥地、フィレンツェは芸術の宝庫 !
フィレンツェは銀行家兼政治家であった、絶大な権力者メディチ家の支援のもとで、ミケランジェロ、
ボッティチェッリ、ドナテッロ、ヴァザーリなど偉大な芸術家が数多くの傑作を生みだした街です。
ルネッサンス時代の華やかな歴史が街の至る所にみられるフィレンツェは、
街の中心部が「フィレンツェ歴史地区」として、1982年世界遺産に登録されています。
映画化されたダン・ブラウンの人気小説「インフェルノ」は、このフィレンツェの街を舞台にしており、
中世の栄華を今に伝える美しい町並みが、スクリーンの中で大きな役割を果たしました。
訪れるたびに魅力が増す花の都フィレンツェの1日観光スポットを、ローマからの日帰りコースで紹介します。
フィレンツェへのアクセス
ローマ~フィレンツェ間は、1時間に1本間隔で高速列車(Freccia)が走っています。
料金は少し高めですが、高速列車を使うと片道1時間半でフィレンツェに到着します。
インターシティー(IC)などを使うと料金は少し安めですが、3時間ほどかかってしまい、
日帰りで観光するにはちょっと不便です。
フィレンツェの歴史地区に近い駅は、サンタ・マリア・ノヴェッラ駅(Firenze S.M.N)なので、
チケットを購入するときは、ローマ・テルミニ駅(Roma Termini)~サンタ・マリア・ノヴェッラ駅
(Firenze S.M.N)で購入しましょう。Rail Europe の英語サイト からチケットを購入することができます。
プロモーションの後に記事が続きます。
フィレンツェの観光スポット
フィレンツェの歴史地区の入り口は、サンタ・マリア・ノヴェッラ駅から徒歩で8分程です。
殆どの観光スポットは、この歴史地区にあるので、ゆっくりと徒歩で観光することができます。
フィレンツェは人気観光都市なので、いつも大勢の観光客で賑わっています。
とくに人気のある ウフィッツィ美術館 や アカデミア美術館、メディチ家礼拝堂 などは、公式サイト、
または Get your Guide や TICKETONE などのチケット販売サイトであらかじめ購入しておくことを
お勧めします!
フィレンツェの最初の見学場所メディチ家礼拝堂へ向かいます!
チケットを購入していなかったので、こちらを最初の訪問地にして朝早く列に並ばず入館できましたが、
出てきたときにはかなりの列ができていました。
メディチ家礼拝堂
サン・ロレンツォ教会付属のメディチ家礼拝堂は、ルネッサンス時代に多くの芸術家を援助した
絶大な権力を持つフィレンツェの銀行家兼政治家、メディチ家代々の豪華な墓所です。
礼拝堂の最大の見どころは、君主の礼拝堂 (La capella dei Principi) と 新聖具室 (Sacrestia Nuova)です。
君主の礼拝堂は、17世紀に政治的権力を失ったメディチ家が、
富と虚栄を示すためにつくられたもので、繊細で豪華な貴石細工に表されています。
「新聖具室 」はミケランジェロの最高傑作で、明るく広々とした空間でできています。
ロレンツォ2世(写真右下)とジュリアーノ(写真左下)の霊廟にみられる4体の彫像 「曙(女性像)」
「黄昏(男性像)」「昼(男性像)」「夜(女性像)」は、新しい時代の到来、苦悩、困惑をあらわした
ミケランジェロらしいダイナミックな彫像です。
チケットは、TICKETONE のオンラインからも購入する事ができます。
サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂
サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂は、1296年から約172年間の歳月を経て完成した、
ローマのサンピエトロ大聖堂、ロンドンのサンパオロ大聖堂に次ぐ、ヨーロッパで3番目に大きな
教会で、その全長は153m、幅90、高さ90mに及びます。
もともと大聖堂は4世紀に建てられたサンタ・レパラ―タ教会の上に建てられ、
地下にはその教会跡が見られます。
大聖堂のファサードは、ミケランジェロが愛用したカラーラ産の白い大理石、シエナ産のピンク、
プラート産の緑の3色の大理石が使用されており、幾何学模様とモザイク、彫像などによる
とても華やかな装飾がされています。
八角形のクーポラはブルネレスキが設計しもので、ローマのパンテオンを参考にし
雷や地震に耐えることができるを設計がされているそうです。クーポラの直径は 45.5m、
その内部は、ヴァザーリとその弟子たちによるフレスコ画 「最後の審判」が描かれています。
クーポラへは463の階段で上ることができ、フィレンツェの町並みを一望することができます。
また、地下のクリプタには、このクーポラの設計者ブルネレスキが眠っています。
場所:Piazza del Duomo
時間:月・火・水・金 10:00~17:00、 土:10:00~16:45、日・祝:13:30~16:45
入場料:無料クーポラ [Cupora]
時間:8:30~19:00、土:8:30~17:00 / 日祝:13:00~16:00
休み:1/1, 1/6, イースター木~日, 6/24, 8/15, 9/8, 11/1、 11月最終月~火, 12/8, 12/25, 12/26
* 階段は狭く、降りる人と登る人がすれ違うので混雑しやすい。
クーポラ入場は、要予約
チケット情報は公式サイトから
サンジョヴァンニ洗礼堂
ハ角形のサンジョヴァンニ洗礼堂は、サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂付属の洗礼堂。
洗礼堂は、4世紀に着工されたロマネスク様式で、内部のモザイクは13世紀のものです。
ダンテもここで洗礼を受けたと言われています。
この洗礼堂には、3つのブロンズの扉が出入り口として使用されていました。
南の扉はアンドレア・ピサーノによって造られ、北と東の2つは、ギべルティによって造られています。
ギベルティによって製作された東の金の扉は、ミケランジェロが、「天国の扉」と呼んだそうです。
ジョットの鐘楼
大聖堂の横に並んで建つ四角い塔は、白、ピンク、緑の大理石が使用されたジョットの鐘楼。
ジョットが設計した高さ85m、幅15mの鐘楼は、14世紀のフィレンツェを代表するゴシック建築です。
鐘楼のテラスへは414段の階段を上るので、かなりの体力が必要ですが、階段を上りきった後に目にする
美しいフィレンツェの街並は最高です!
ショッピングや観光にも便利な立地になります。
広場の手前に建物の四方の壁が立派な彫像で囲まれた、ちょっと興味深い教会が開いていたので入ってみます。
オルサンミケーレ教会
13世紀に「穀物倉庫」として利用されていたというこの建物は、四角く教会らしい形ではありませんが、
教会の壁には14~15世紀にギベルティやラファエロなど、偉大な芸術家によって制作された
守護聖人像のコピー14体がはめ込まれているので、一見の価値があります。
入口の両側のブロンズ像は、サンジョヴァンニ洗礼堂の扉を制作したギベルティによって造られた
聖マタイ像(左)と聖ステファノ像(右)のコピーで、オリジナルは教会上階の博物館に展示されています。
小さな教会の内部は、美しいフレスコ画とステンドグラスの豪華な装飾が施されています。
中央の大理石でできた聖グラツィアの祭壇は、ベルナルド・ダディ(Bernardo Daddi)によって描かれた
「聖母子(Madonna con bambino)」です。
教会の2、3階(イタリアでは1、2階)にある博物館には、教会の外壁を飾るギベルティやラファエロ
などの偉大な芸術家によって製作された守護聖人像のオリジナルが展示されています。
TICKETONE からも同じ料金で購入することができるので、オンラインであらかじめの購入がお勧めです。
ただし、毎月第1日曜日は無料で入館できます。
シニョーリア広場
「野外美術館」といっても過言ではないほど多くの彫刻に囲まれたシニョーリア広場を見下ろすように
建つヴェッキオ宮。この広場は、過去から現在に至るまでフィレンツェの行政の中心の場所になります。
ヴェッキオ宮の右側がランツィのロッジャ。古代からルネッサンス時代の彫刻の数々が所狭しと並び、
ミケランジェロのダヴィデ像のコピーやネプチューンの噴水などが広場を華やかに飾っています。
地面の丸いブロンズの敷石がある場所は、激しい反メディチ家の説教を行い、神政政治を行った
僧侶サヴォナローラが、ローマ教皇によって火炙りの刑に処せられた場所を示すものです。
ヴェッキオ宮
ヴェッキオ宮は、13世紀に着工されたゴシック様式の建物と広場を見下ろす94mの塔。
かつてはフィレンツェの共和国政庁舎として、現在は市庁舎として使用されています。
建物上階が美術館となっていて、2階の 「1500年代の間」は、当時フィレンツェ共和国会議場であった
場所で、現在ヴァザ‐リ派の絵画が展示されています。
3階の「1200年代の間」では、美しい天井画とフィレンツェの地図のタペストリーが鑑賞できます。
ウフィッツィ美術館
ウフィッツィ美術館には2500の作品が展示され、2階はミケランジェロとダ・ヴィンチのデッサンや版画、
第46室は、カラヴァッジョの”イサクの犠牲”が展示されています。
3階は45室からなる絵画館です。
見逃してはならない作品は、(第2室)ジョット「玉座の聖母子」、(第3室)シモーネ・マルティーニの
「受胎告知」、(第7室)フラ・アンジェリコの「聖母子」、パオロ・ウチェッロ「サン・ロマーノの戦」、
(第10-14室)ボッティ・チェッリの作品集「春」、「ヴィーナスの誕生」、(第15-16室)ダ・ヴィンチの
「マギの礼拝」、(第25室)ミケランジェロの「聖家族」、(第26室)ラファエッロの「ひわの聖母」、
(第28室)ティツィアーノの「ウルビーノのヴィーナス」、(第41室)ルーヴェンスの作品集などです。
ウフィッツィ美術館では、館内の芸術作品を鑑賞するだけでなく、アルノ川をつなぐポンテヴェッキオと
ヴァザーリの回廊や、テラスに出るとヴェッキオ宮やサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂、
ジョットの鐘楼などを背景に写真にとれる絶景スポットがあります。
ウフィッツィ美術館はローマのヴァチカン美術館と並んで人気があり、長蛇の列ができる事で有名な
美術館です。フィレンツェを効率よく観光する為には、ウフィッツィ美術館の前売りチケットを、
オンラインで購入しておくことをお勧めします。これなら、自分の予約した時間に行けばいいので、
列に並ぶ必要もありません。
個人ではちょっと…という場合は、
ウフィツィ美術館とフィレンツェ市内半日観光ツアー などがあります。
このようなツアーを利用すれば、ウフィツィ美術館の列に並ぶことなく、
日本語の説明を聞きながら、効率よく観光できると思います。
ミケランジェロ広場
ミケランジェロ広場は、小高い丘の上にあるので上り坂と長い階段を上っていきます。
広場の中央にはミケランジェロのダヴィデ像のコピーがあり、
美しいフィレンツェの街並みを写真に収めることのできる絶景スポット!
ヴェッキオ橋
アルノ川の左岸東岸を結ぶ最古の橋 「ポンテ・ベッキオ 」
現在の橋は10世紀後半に再建されたもので、当時、橋の上には肉屋をはじめとする
食料品市場が並んでいましたが、15世紀、橋の清潔さが重要視されて食料品店が廃墟されました。
その後、橋にふさわしい宝石店がおかれ、1565年にはヴァザーリが、メディチ家のコジモの為に
政治の中心と邸宅を最短距離で結ぶように、ヴェッキオ宮とピッティ宮を結ぶ、約1キロの回廊
(ヴァザ‐リの回廊)を5カ月という短い期間で建設しています。
この回廊の1部はベッキオ橋の階上を通っており、当時は橋の上を車も通っていたといいます。
戦時中唯一の破壊を逃れ、この橋の上をヒトラーやパルチザンが歩いた歴史に残る橋でもあります。
現在は、フィレンツェ独特の調金細工店や宝石店が橋の両脇に並び、
世界各国からの多くの観光客が訪れる観光スポットになっています。
ちょっと高いけど、フィレンツェでしか買えないようなデザインのアクセサリーが見つかりるので、
思い出の一つをここで調達してもいいですね。
新市場のロッジャ
トスカーナ地方の手作りのカラフルなバッグやベルト、ジャケット、手袋、財布、アクセサリー、
小物などの革製品、シルクのスカーフ、刺繍タペストリーやお土産品を販売する屋台が並ぶ
新市場のロッジャ、通称 「メルカート・デル・ポルチェリーノ (Mercato del Porcelino)」。
子豚の市場という意味ですが、この名前は市場の横に建つ子豚ではなく、
イノシシのブロンズ像からきています。
写真を撮り損ねたのですが、このイノシシに触ると幸せになるといわれているので、
多くの旅行者が訪れる観光スポットにもなっています。
サンタ・マリア・ノヴェッラ教会
サンタ・マリア・ノヴェッラ教会は、サンタ・マリア・ノヴェッラ駅の近くに位置し、
ドメニコ会修道士により建てられたフィレンツェで最も重要な教会の1つです。
修道士たちは、薬草を調合して薬剤や香水を作り販売した利益で教会を運営していました。
それが高級イタリア雑貨の「サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局」のルーツで、日本にも支店があります。
外観はひっそりとあまり目立たない教会ですが、内部はゴシック、ルネッサンス、半宗教革命時代に活躍した
マザッチョ、ジョット、ブルネレスキ、ドメニコ・ギルランダイオなどの傑作を見ることができます。
まとめ
ローマからの日帰りで廻れるフィレンツェの1日観光スポットを抑えてみました。
もし時間があれば、メディチ家のもと邸宅 ピッティ宮殿 (現在は複合美術館)や
ボーボリ庭園、ミケランジェロやガリレオなど有名人の墓所のあるサンタクローチェ教会なども
訪れてみてください。
フィレンツェに数日滞在する場合は、1日でシエナ、サンジミニアーノ、ピサの3都市を巡るツアー
に参加すると、市内だけにとどまらずトスカーナ州の人気都市を観光することができ、いっそう充実した
イタリア旅行を楽しめると思います。もちろん、シエナやピサには列車でアクセスすることもできます。