ロミオとジュリエットの舞台「ヴェローナ」の中世の街並み1日散策スポット!
イタリア北部のヴェネト州に位置するヴェローナ(VERONA)は、シェイクスピアの戯曲
『ロミオとジュリエット』の舞台となったことでも有名な街です。
ジュリエットの家や墓など、ロミオとジュリエットゆかりのスポットをはじめ、
世界遺産に登録された旧市街では、ローマ時代の遺跡や中世の街並みの散策が楽しめます。
人気観光都市ミラノやヴェネツィアから列車で1時間半ほどでアクセスできる立地にある
コンパクトな街ヴェローナを1日で廻れる魅力的な観光スポットを紹介します。
ポルタ・ヌオヴァ駅
ヴェローナは、人気観光都市ミラノやヴェネツィアから列車で1時間半ほどでアクセスできる立地にあります。
ポルタ・ヌオヴァ駅 [STAZIONE PORTA NUOVA VERONA]に到着したら、広場から市バスに乗って
市街中心部にある ブラ広場(Piazza Bra) までアクセスしましょう。
バス停留所 [B1] から アレーナ(Arena)のあるブラ広場(Piazza Bra)までは10分程です。
ブラ広場へは複数のバスが出ており、平日は11、12、13、51、52番、休日は90、92、93、93番です。
ヴェローナの観光スポットがどこに存在するのかマップで確認してみてください!
アレーナ・ディ・ヴェローナ
ヴェローナの中心部に位置する円形闘技場「アレーナ・ディ・ヴェローナ(Arena di verona)」。
正確な年数は不明ですが、ローマ帝国・初代皇帝アウグストゥスの時代に建てられたので、
ローマのコロッセオよりも先に建てられた闘技場で、当時の姿がほぼ完全な形で残されています。
イタリアで3番目に大きく、現在は、野外オペラや音楽祭の会場として利用されています。
アレーナを後に ジュゼッペ・マッツィーニ通り(Via Giuseppe Mazzini)を通って
旧市街の中心部へと向かいます。
ジュゼッペ・マッツィーニ通りは、「ブラ広場」と旧市街の中心部である「エルベ広場」を結ぶ
ショッピングストリートで、大勢の人で賑わっています。
人の多さに比べると道幅は広いとは言えませんが、車両が入れないので、
安心してウインドーショッピングが楽しめます!
古代ローマの遺跡が残るベネトン
ヴェローナでは、散策中に街の様々なところで古代ローマの遺跡を目にすることになりますが、
ショップの中も例外ではありません。「ベネトン」に入ったら、地下に降りてみてください。
店内でも「古代ローマ時代の住居跡」がみられるんですよ!
レンガを積み上げて造られた住居跡にモザイクの床・・・貴重な遺跡をショッピングしながら無料で
見れるなんて凄いと思いませんか?
ローマの高級デパート・リナシェンテで 古代ローマの水道橋 を見た時もびっくりしましたが、
こちらも驚きです!
エルベ広場
賑やかなショッピングストリートの突き当りは、旧市街中心にあるエルベ広場です。
古代ローマ時代に造られた公共広場で、当時から野菜など食料品が売られていたそうです。
その中でも代表的なものが ERBE (エルベはイタリア語で「ハーブ」)だったそうで、
エルベ広場と名前が付いたそうです。
現在でも広場の中央では青空マーケットが開かれ、花や食料品、衣類、雑貨などの店舗の並び、
大勢の人で賑わっています。
マーケットが開かれている時間は少しわかりにくいですが、広場を囲む建物の装飾など眺めてください!
歴史を感じさせられる美しい広場です。
集中しているので見ていきましょう。
ジュリエットの家
ヴェローナで見逃せない人気スポットの一つがジュリエットの家です。
13世紀ころに建てられたジュリエットの家では、舞台や映画でおなじみのバルコニーや家具、調度品、
衣装などが展示されており、悲恋の物語に思いを馳せることができます。
中庭では恋愛成就を願った「ハートの南京錠」やジュリエットの銅像、バルコニーを眺めることもできます!
建物の中は有料です。建物内を見学する場合は、公式サイト からチケットを購入することをお勧めします。
ハイシーズンはかなり混みあっているので、オンラインで購入しても列に並びましたが・・・
シニョーリ広場
シニョーリ広場は、政治の広場として使われたそうです。
広場の中央には詩人ダンテ像が立ち「ダンテ広場(Piazza Dante)」とも呼ばれているんですが、
なぜダンテがここにいるのでしょう?
「神曲」で有名なダンテは、政治家でもありました。
彼の政党が大敗したときにフィレンツェから追放され、北イタリアを転々とした後、
スカラ家の庇護のもと、このヴェローナに一時期定着したそうです。
この広場の周辺でも古代ローマ時代の遺跡が残されています。
ヴェローナもローマのように日常生活の中に遺跡が浸透しているので、散歩中に街の様々な場所で
数千年前の遺跡に出会います。あらためて、イタリアの歴史と凄さを感じさせられました。
Via Dante Alighieri を歩いていると、不思議なレリーフを見つけました。
ただの装飾かな~と思っていたのですが、調べてみるとヴェネツィア共和国に多く存在していた
「Boche de leon (ライオンの口)」という秘密の告発書を投函するためのもので、
今までも所々に残されているそうです。
ヴェネツィアのシンボル「ライオン」や邪悪な表情を描いたものが多く、口に秘密の告発書を
挿入できるようになっていますが、告発書が受理される条件は、3人の証人の署名が必要だったそうです。
ヴェローナの「Boche de leon」は、ダンテ通りの脇とシニョーリ広場の正面の2か所に置かれ、
ダンテ通りでは詐欺や密輸などの通告、シニョーリ広場のシニョーリ広場の正面では、
高利貸しなどに対する苦情などが投函されたそうです。
参考サイト:visitverona.it
ランベルティの塔
市庁舎に隣接して建っているランベルティの塔は、ヴェローナで最も高い場所です!
地上84mの高さからは、世界遺産の街並みや近郊の街並みを一望することが出来ます。
階段とエレベータの両方でアクセスすることが出来ます。
スカラ家の霊廟
シニョーリ広場を東に進むと、立派な装飾で飾られた霊廟が目に飛び込んできます。
こちらは、13~14世紀にかけてヴェローナを支配したスカラ家歴代領主の霊廟で、隣接しているのが
プライベート礼拝堂となっている「サンタマリア・アンティカ教会」です。
サンタマリア・アンティカ教会は、12世紀前半に再建されたロマネスク様式の教会で、
教会の扉の上にはスカラ家の1番の権力者であったカングランデ1世の騎馬像と石棺が置かれています。
教会の扉の上にお墓を設置しているのを初めてみましたが、ここなら誰でも目を引く目立つ場所なので、
そういう意図でここに置かれたのでしょうか...権力者のやりそうなことですね!
アナスタージア教会
2体のせむし像が有名な「サンタ・アナスタージア教会」は、ヴェローナで一番大きな教会です。
正面のファサードからは、それほど大きくは見えませんが、教会が未完成だからかもしれません。
13世紀に建設が始まったのですが、まだ未完成のままだそうです。
天井の装飾やレリーフも一見の価値があります!
絶景を楽しむならサンピエトロ城の丘へ
ヴェローナ発祥の地といわれているサンピエトロの丘からは、世界遺産の街並みを一望できます。
丘へは徒歩、もしくはフニコラーレでアクセスできます。
丘までは少し急な階段があるので、上りはフニクラーレを利用し、下りはローマ劇場(Teatro Romano)を
見ながら徒歩で降りてくるのもいいかもしれません。
私は、往復フニコラーレを利用したので、時間も体力も消耗せず絶景に浸ってきました。
サンピエトロの丘から望む「ヴェローナ」世界遺産の街並み! の記事を読む
ジュリエットの墓とフレスコ美術館
ジュリエットの墓とフレスコ美術館は、1230年に建てられたフランシスコ会の修道院があった場所です。
中庭から階段を降りると、ジュリエットの墓の表示を地下に降りると柩がポツリと佇んでいるだけなので、
ちょっと期待外れでしたが、美術館は、かなりの数のフレスコ画が展示されているので見ごたえがあります。
ヴェローナでロッカーが必要な場合は...
日本だと主要都市の駅には何か所もコインロッカーが設置されていて、荷物を預けるのに困らないのですが、
ヴェローナは、イタリアの他の都市と同じように日本のような便利なコインロッカーがありません。
ポルタ・ヌオヴァ駅にも荷物預かりがありますが、スタッフが対応するので不手際だと荷物を預けるのにも
かなり時間がかかるのと、荷物一つにつき料金を支払うので、一つ以上預ける場合は、
かなりの料金を支払うことになります。
ヴェローナの市内でロッカーを探したところ、荷物を複数預ける場合や家族・友人とシェアできる
コインロッカー的なものが、ブラ広場の近くで見つかりました。
「stow your bags」 は、ミラノ、ローマ、フィレンツェなど他の主要都市にもあり、
オンラインでロッカーの予約と支払いができるので、予約した時間に行けば、待ち時間もなく
1つのロッカーに複数の手荷物が収納できるセルフサービスです。
手荷物ごとに料金を支払わなくていいので、機内持ち込み用のスーツケース2個分の大きさのロッカーで、
スーツケース以外にもバッグやジャケットなど必要のないものが入るのが嬉しいです。
イタリアに限らずヨーロッパは荷物預けるにも一苦労なので、宿泊している場合はホテルで預かってもらう
のが一番ですが、宿泊予定のない場合は、あらかじめロッカーを探してから移動することをお勧めします!
まとめ
「ロミオとジュリエット」の舞台となったロマンチックな街・ベローナはいかがでしたか?
コンパクトな街なので、世界遺産に登録されている旧市街は、すべて徒歩で観光できます。
中世の街並みを散策しているだけでも、突然古代ローマの遺跡が登場したり、
ただのレリーフだと思ったものに重要な歴史が隠されていたり...ととても興味深い街です。
ヴェローナは比較的安全な街なので、ミラノ、ヴェネツィアなどを訪れる時には通過してしまわないで、
1日観光のコースとしてとりいれてみてください!