ヴロツワフは、10世紀にポーランド王国の領土として建設された後、オーストリア、ドイツ、
ハンガリー、プロイセン、ボヘミアなど様々な国が支配下に置いたこともあり、
色々な文化の混じりあった独特の街並みがみられるポーランドで最も古い街の一つです。
第二次世界大戦時にはドイツ軍とソ連軍の激戦の地ともなり、歴史地区の大半は破壊されました。
破壊された歴史地区は、当時の資料をもとに忠実に再現されています。
ヴロツワフは、街中で様々な格好をした可愛い小人がみられることでも有名です。
2001年に小人第一号が街におかれてから、現在250体以上が街中で見られるそうなので、
小人探しも街の散策の楽しみの一つになることでしょう。
ポズナンからヴロツワフへ
ポズナンからICで2時間30分ヴロツワフ中央駅に到着したのは正午前 ☺
ポズナンからの列車は車両も新しく、時間の遅れもない快適な旅でした。
チケットは、オンラインで1か月前に購入済みなので20%引きです。
ヴロツワフ中央駅
ヴロツワフ中央駅 [Wrocław Główny]
場所:Piłsudskiego 105, 50-085 Wrocław
ヴロツワフ中央駅は、19世紀に完成したネオゴシック様式。
構内には、ATM、ロッカー、インフォメーションデスク、両替所、ショップ、カフェ、
レストランなどの設備が整っており、エスカレーター、エレベーター完備されています。
駅を出るとバス・トラムのターミナルがあり、そこから市内の中心部へとアクセスできます。
ブロツワフ駅から市内へのアクセス
トラムの停留所には券売機が設置されており、クレジットカード対応です。
チケットは、バス・トラムの車内の刻印機で有効にします。
トラムの中には黄色い券売機が設置されており、車内での購入も可能です(カードのみ)。
ラツワヴィツェの展望美術館
19世紀ポーランドの巨匠ヴォイチェフ・コサクとヤン・スティカによる「ラツワヴィツェの戦い」
(15mx120m、直径38m)が、円筒型の建物の中に360度の大パノラマとして収められている美術館。
「ラツワヴィツェの戦い」は、1794年4月に帝政ロシアの4100人の正規軍に抵抗し、
2000人の農民兵を指揮した軍人タデウシュ・コシュチューシコ
(ポーランド・リトアニア共和国の将軍)が起こした蜂起です。
タデウシュ・コシュチューシコは、アメリカ独立戦争にも参加しジョージ・ワシントンの
副官として戦ったことでも有名です。
カティン虐殺記念碑
サイエンスフィクションに登場するような大きなブロンズ像は、
1940年の春、カティン、ミエドノエ、ハリコフなど旧ソ連近郊の森でスターリンの命令により
虐殺されたポーランドの将校、警官、囚人など22,000人の慰霊碑で、1999年に設置されました。
遠くからでも目を引く慰霊碑で、思わずまじか迄行ってみてしまいました。
オストルフ・トゥムスキ地区
オストルフ・トゥムスキ (Ostrów Tumski)は、ヴロツワフ市内でもっとも古い地区です。
1000年前にはピアスト王朝のボレスワフ英雄王が、
この地をカトリックの重要な拠点として司教座を設置しています。
ここで小人を2体発見しました‼ 宝物探しをしているようで楽しいです ☺
洗礼者聖ヨハネ大聖堂
2つの塔がそびえたつ洗礼者聖ヨハネ大聖堂は、
ポーランドで初めてゴシック建築様式で建てられた大聖堂だそうです。
16世紀末に完成した塔は何度も破壊されており、第二次世界大戦後に再建されています。
塔の展望台にはエレベーターでアクセスが可能。
現在修復中の中央祭壇は、16世紀にヴロツワフの偉大な芸術家によって製作されましたが、
17世紀前半に起きた戦争により装飾の一部が盗まれ、その後第二次世界大戦で破損してしまいます。
破損されなかった一部がブロツワフの博物館で保管され、2018年より中央祭壇に戻す為の
修復作業が行われており、それについての説明や模型を見ることができます。
ヴロツワフ大学
ヴロツワフ大学 [ University of Wrocław ]
場所:plac Uniwersytecki 1, 50-137 Wrocław
20世紀以降、9人のノーベル賞受賞者を輩出してきた、3世紀の豊かな歴史を持つヴロツワフ大学。
立派な建物に華麗な装飾の施されたブルーの入り口。
校内のいくつかの講堂は美術館として公開されているので、有料で見学できます。
大学の校舎への入り口は2つあり、レオポルディナ講堂のある校舎のドアの前には
「MUSEUM」という表示があり、「小人教授」がいるのが目印です。
レオポルディナ講堂
レオポルディナ講堂は、ヴロツワフ大学の校内にあるバロック様式で建築された講堂。
レオポルディナ講堂以外にも3室の講堂の見学が可能です。
私たちが訪問した時はレオポルディナ講堂の修復工事中だったので、
講堂の2階のバルコニーから無料で見学させてもらえました。
とても豪華な装飾で、授業を受ける場所というよりオペラ鑑賞をする場所という錯覚を受けます。
大学の校内でも小人発見‼ ちなみに大学の校内は、無料で見学できます。
聖エルジュビエタ教会
市内で2番目に大きな聖エリザベート教会は、1976年に建設工事中に起きた火事によって焼失し、
1997年に塔を含めて修復工事が完成したゴシック様式の教会です。
塔の高さは130mもあり、ヴロツワフの近郊やチェコとの国境にある
スデティ山地を見渡すこともできるそうです。
教会内部は、煉瓦と白い壁に金の装飾、色とりどりのステンドグラスや彫像、370の貴族の墓所、
ポーランド兵士の慰霊碑や大変人気のあったポーランド人の教皇ジョヴァンニ・パオロ ll 世
(カロル・ヴォイティワ)の像が設置され、ヴァチカン市国の紋章も飾られています。


教会の周辺には、消防隊員の小人たちが・・・教会の火事にちなんででしょうか?


ヘンゼルとグレーテルの家
ポーランドでは「ヘンゼルとグレーテル」は、「ヤシとマウゴーシャの家(Kamieniczki Jaś & ałgosia)」
と呼ばれているそうです。
かわいいアーチで繋がれた左側にある白い小さい方が「ヤシ」と呼ばれるゴシック・ルネサンス様式、
右側の大きな方は「マウゴーシャ」と呼ばれ、バロック様式です。
この2つの建物をつなぐように、18世紀にアーチが取り付けられました。
マーケット広場
ヴロツワフのマーケット広場は、クラクフ、オレコに次いでポーランド最大の広場に属します。
パステルカラーの建物が広場を囲むように建ち並び、広場には新・旧2つの市庁舎が建っています。
66mの高い塔をもつ市庁舎は、ゴシック様式で国内最大級の建築といわれています。
12月のマーケット広場とその周辺は、クリスマスマーケットの屋台とイルミネーションでとても華やかです。
小人とトナカイが設置された広場は、まるで絵本から飛び出したメルヘンの世界にいるようです。
旧市庁舎
マーケット広場に建つ旧市庁舎は、中世を思わせる美しいゴシック装飾の見事な建物です。
13世紀から約250年の歳月をかけて建てられ、現在「市立博物館」になっています。
旧市庁舎の半地下には、ヨーロッパで最も古いレストラン
「ピヴニツァ・シフィドニツカ (Piwnica Świdnicka)」があることで有名です。
塩の広場
マーケット広場から目と鼻の先にある塩の広場でも賑やかな
クリスマスマーケットの屋台が並んでいます。
13世紀に造られたこの広場では、中世から19世紀まで塩やハチミツ、蜜蝋、革などが
取引されていた場所だったそうです。
現在この広場の周辺には、24時間営業の店舗などが設けられていることで有名です。
ショッピングモール
ヴロツワフ中央駅の近くにあり、20室からなる映画館と、160店舗のショップ、
レストラン、カフェ、スーパーが入っている大型のショッピングモール。
ヴロツワフで宿泊したホテル
ヴロツワフは中央駅前に手頃なホテルが結構あります。
ポーランドは物価が安いので、そこそこのホテルでも安価で泊まれるのですが、
小さなスーツケースを持って列車で頻繁に移動する為、ビジネスホテルのように最低限の設備
(ケトル、Wi-Fi)があり、駅の正面にあるということで ホテル ピアスト [Hotel Piast] に宿泊しました。
まとめ
ヴロツワフは、親子で小人をいくつ見つけるか競争しながら観光スポットを廻っていたので、
小人を見つけたときは、宝物を見つけた様に燥ぎながらの楽しい街歩きでした。
街には小人だけでなく、所々にブロンズ像があり、芸術の街でもあるという印象を受けました。
多くのトラムやバスが街中を頻繁に走っているので、観光スポットへもアクセスしやすく、
券売機が至るトラムの駅に設置されていて便利で街歩きも安全です。
ヴロツワフは、メルヘンの絵本から飛び出してきたようなとても素敵な街でした。
次の訪問地は、クラクフです。