ブリュッセルから日帰りで廻るアントワープの見学スポット!

アントワープといえば、私たち日本人にとってはアニメ「フランダースの犬」の舞台となった
とても有名な街ですが、バロックの巨匠ルーベンスの故郷でもあり、
ダイヤモンド研磨の聖地とも呼ばれるている都市です。

そして歴史のある名門芸術学院からは、多くの優れたデザイナーが輩出される芸術の街としても
知られるアントワープをブリュッセルから日帰りで訪れてみました。

ここでは、半日で廻れるアントワープの観光スポット紹介していきます。

アントワープ滞在のめやす

ベルギーの北部に位置するアントワープは、ブリュッセルやアムステルダム、パリなどヨーロッパの
人気観光都市から高速列車を利用して短時間でアクセス出来き、見どころが旧市街に集中しているので、
半日ほどあれば主要観光スポットを廻ることができるので、各都市からの日帰りでも十分に楽しめます。

アントワープ中央駅

アントワープ中央駅は、フランスやオランダ、ドイツからの国際列車の発着する国際的な駅です。

重厚な石づくりに鉄とガラスを用いた大きなドーム型の屋根がかぶさり、金の装飾が施された
あまりの美しさに「鉄道の大聖堂」とも呼ばれるアントワープ中央駅は、ブルージュ出身の建築家、
ルイ・デル・センセリー 氏によって1895年から10年の歳月を費やされて改築された
ネオ・バロック様式の建物です。

プラットフォームは、2000~2009年にかけて拡張工事が行われ4階層に分かれているので、
少し複雑で、自分のプラットホームを探すのに時間がかかりました。

アントワープ中央駅  [Antwerpen-Centraal]
場所: Koningin Astridplein 27, 2018 Antwerpen

アントワープ駅を出て市街中心部へ向かう途中、通りの両脇にダイヤモンドの店舗を多数見かけました。
というのも、アントワープはダイヤモンド取引が盛んな街で、研磨済みダイヤモンドと原石の取引量は、
総量の8割がアントワープを経由して世界へ輸出されていると言います。

そして、中央駅の近くには2018年に州立ダイヤモンド博物館がオープンし、ダイヤモンドの歴史、
地質学、鉱山、切断、研磨作業とその道具に関する展示を見ることができます。

聖カルロス・ボロメウス教会

イエズス会の紋章(IHS)がファサードの中央に入った聖カルロス・ボロメウス教会は、
17世紀イエズス会によって建てられたバロック様式の教会。

ファサードのデザインや、祭壇画、39枚の天井画をルーベンスが手掛けたといいます。
残念ながら18世紀初期落雷による火事で内部が焼失してしまい、
オリジナルは正面ファサードしか残っていないそうです。

教会内部は、3身廊からなり中央の主祭壇とその両脇に2つの礼拝堂があり、
白い壁に金の美しい装飾がされています。

ルーベンスの祭壇画「エジプトから帰還する聖家族」

主祭壇用に書かれた「エジプトから帰還する聖家族」はウィーンにあったそうですが、
2017年にこの教会に戻され、ヨセフ礼拝堂の祭壇画として公開されています。

聖カルロス・ボロメウス教会  [Sint-Carolus Borromeuskerk]
場所:Hendrik Conscienceplein 11, 2000 Antwerpen
見学時間:月曜~土曜10:00~12:30/14:00~17:00
入場料:無料
公式サイト

聖パウルス教会

ルーベンスやヴァン・ダイクなどの絵画があることで有名なカトリック教会。
教会の外観は、ゴシック様式とバロック様式の塔で形成されています。

残念ながら時間が合わず、見学ができませんでした。

聖パウルス教会   [ Sint-Pauluskerk ]
場所:Sint-Paulusstraat 22, 2000 Antwerpen
見学時間:14:00~17:00
料金:無料

肉屋のギルドハウス

赤レンガと白砂岩のストライプの建物は、アントワープで最も古い肉屋のギルドハウス。
現在は、楽器の博物館となっています。

肉屋のギルドハウス [Museum Vleeshuis]
場所:Vleeshouwersstraat 38, 2000 Antwerpen
見学時間:10:00~17:00(木~日曜日)
休館:1/1、5/1、11/1、12/25 と 月~水曜日
料金:26~65歳 € 5、12~25歳・65歳以上 € 3、12歳以下無料
公式サイト

ステーン城

スヘルデ川の岸に建つステーン城。
巨人アンティゴンが住んでいたといわれるこのお城は、現在修復中。

ステーン城   [Het Steen]
場所:Steenplein 1, 2000 Antwerpen

マルクト広場

マルクト広場に建つ市庁舎は、16世紀に建てられたルネッサンス様式。
現在修復中なので、オリジナルの市庁舎をデザインした幕がかけられています。

そして、広場の中央にはローマ戦士「英雄ブラボーの像」
巨人アンティゴンの手を切り落として川に投げる様子がモチーフになっています。

そして、広場に面して建つ美しいギルドハウス。
ギザギザになったものや緩いカーブになった切妻屋根の頂点には、
建物が何の組合に利用されていたかを見ることができます。

マルクト広場  [Grote Markt]
場所:Grote Markt, 2000 Antwerpen

聖母大聖堂

「フランダースの犬」のネロとパトラッシュが力尽きる最終回の舞台となった聖母大聖堂。

残念ながら現在修復中で、美しい鐘楼は見れませんでしたが、
ベルギーで最大の大きさを誇るだけあり、大変立派なゴシック様式の大聖堂が
広場狭しと立ちはだかっていました。

聖母大聖堂の中には、巨匠ルーベンスの祭壇画が4点あります。

教会内に見取り図付きのパンフレット(無料)が用意されているので、
それを見ながら見学すれば、気が付かず通り過ぎてしまったということもないでしょう。

中央祭壇には、ルーベンスの祭壇画「聖母被昇天」

左右の翼廊にある「キリスト昇架」と 「キリスト降下」は、三連祭壇画。

ルーベーンス以外にもフランドルの巨匠によって描かれた作品が規則正しく配置された様子は、
まるで美術館にいるようです。

ステンドグラスを通して入る外からの光は、教会内をより白く美しく照らしています。

聖母大聖堂  [Onze-Lieve-Vrouwe kathedraal]
場所:Groenplaats 21, 2000 Antwerpen
見学時間:平日10:00~17:00、土曜10:00~15:00、日曜祝日13:00~16:00
料金:一般 € 8、学生・60歳以上 € 6、18歳以下無料
公式サイト

聖母大聖堂前の広場には、「ネロと愛犬パトラッシュ」安らかに横たわっています。

 

ルーベンスの家

ベルギーの巨匠、ルーベンスが30年間暮らしアトリエとして使用していた邸宅。
現在は、ルーベンスと彼に関連する作品が展示された美術館になっています。

静かで落ち着いた館内には、絵画のみでなく、その当時使用されていた家具や調度品なども
展示されており、その当時の優雅な生活ぶりが見て取られます。

チケットは、ルーベンスの家の向かい側のガラスの建物がチケットオフィスなので
そこで購入し、館内説明書を借ります。(日本語なし)

ルーベンスの家  [Museum Rubenshuis]
場所:Wapper 9-11, 2000 Antwerpen
見学時間:10:00~17:00(月曜休館)
入場料:26~65歳 8ユーロ、12~25歳、65歳以上 6ユーロ、12歳以下無料
公式サイト

ルーベンスの家からすぐ近くにある メイル( Meir )通り

この通りは、アントワープ中央駅から市内中心地へと続くショッピング街です。

このメイル通りには、世界の5大チョコレート職人として認められた
ドミニク・ペルソーヌの店「チョコレートライン」があります。

チョコレート・ライン

なんとも立派な建物で、「えっ⁈これチョコレートのお店?」って疑問に思ったんですが、
このチョコレートラインの入っている建物は、1745年アントワープの大富豪が建てた大邸宅で、
その後、ナポレオンの手に渡り「宮殿」といわれるようになったそうです。

豪華なシャンデリアと装飾は、改装されない当時のままだそうです。

店内は複数のチョコレートが陳列されているばかりではなく、
チョコレートで造られた恐竜の頭やカエルなど、クリエーティブな作品が展示されてます。

複数の種類の中には、ワサビ味なんてありました。

チョコレート・ライン  [The Chocolate Line]
場所:Meir 50, 2000 Antwerpen
公式サイト
メイル通りでの買い物を済ませ、ブリュッセルへと帰路につきます。

まとめ

フランダースの舞台とルーベンスの傑作や邸宅など盛りだくさんの観光スポットの見学できる
アントワープは、とても素敵な街でした。

アントワープも観光スポットが市内中心部に集まっているので、
比較的短時間で主要なものを見学することができます。

ブリュッセルに起点を置いて、往復半日観光は十分可能です。

今回残念だったのは、修復作業のために撮れなかった美しい写真。
歴史の古いヨーロッパの街は、どこへ行っても必ず街の観光スポットの1つ以上は修復作業が行われており、
その作業が何年も続くのが当たり前なのですが、ちょっとガッカリでした。

レールパスで廻るベルギーの4都市・4泊5日の旅
ベルギーのレールパスを使ってゲント、ブルージュ、ブリュッセル、アントワープを
4泊5日で周遊した旅行記録とチケットの購入場所や使い方を説明しています。