旧市街ごと世界遺産!ストラスブールの1日散策スポット
フランス・アルザス地方のストラスブールは、「街道の街」を意味するラテン語、ストラテブルグム(Strateburgum)から由来しています。
古くから交通の要衝として繁栄してきたストラスブールは、ドイツとの国境に位置する事から
フランスとドイツ間の領土争いで、何度も国籍が変わってしまう…という波乱の歴史を歩んできました。
ストラスブールは、旧市街「グランディル(大きな島)」と、これに隣接する「ノイシュタット(新しい町)」
という地区から形成され、旧市街全体が世界遺産に登録されており、見どころは旧市街です。
ストラスブールへのアクセス
ストラスブールへは、ヨーロッパの都市から空路でアクセスできます。
また、パリやスイスのバーゼル、ドイツのフランクフルトからも長距離バスや高速列車TGVなどを利用して
日帰り観光などができる距離です。
ちなみにパリの東駅からはTGVで約2時間20分、ドイツのフランクフルトへは、ICEやTGVで約1時間50分で
アクセスすることができます。
ストラスブール中央駅
サッカースタジアムのような近代的な外観のストラスブール中央駅。
1984年歴史的建造物に指定されているため増築ができず、古風な駅舎を残したまま近代的な
ガラスのドームで包み込むように造られています。このガラスのドーム型デザインは、
ジャン・マリー・デュティヨール氏のデザインで、2008年 Brunel 賞を獲得しています。
ストラスブール中央駅は、フランスの高速列車TGVやドイツの高速列車ICEなどが到着する
国際的な駅で、地下はストラスブール市街へアクセスできるトラム A-D線の駅があります。
ストラスブールで必要な観光日数は?
ストラスブールは旧市街に見学スポットが集中しているので、1日で観光スポットを廻ることができます。
プティット・フランスやストラスブール大聖堂、ロアン宮殿など市内散策後、ボートツアーで
水上からのストラスブール観光もお勧めです。
市内の移動の仕方とチケット
ストラスブールの旧市街は徒歩で観光できますが、ストラスブール中央駅に到着した場合は、
中央駅からトラム A・Dに乗り、3つ目の「Homme de Fer」駅で下車し、観光をスタートすると
時間も体力も節約できます。
ストラスブール中央駅の地下からメトロが発着しています。
駅のホームに券売機が設置されているので、チケットの購入が可能です。
券売機は各トラムの駅に設置されています。
チケットの料金
- 1回券(シングルチケット)€ 2,10
- 24時間チケット(1人用)€4.60
- 回数券(1人用10回分) € 17,30
- 24時間チケットトリオ(2~3人用)€ 10,40
2人以上で行動する場合は、24時間チケットの
TRIOがお得です。
詳しくは、CTS公式サイトで
トラムには改札口がないので、そのままホームへアクセスできますが、乗車前にホームに設置されている
シルバーと赤の機械の前でチケットをかざして乗車券を有効にします。
Homme de Fer 駅
「オム・デ・フェール駅(Homme de Fer)」に到着します。
大型のデパートを始め人気ブランド店やファストファッションの店舗がぎっしりと軒を並べています。
車両がないときは、トラムの駅かどうかわかりにくいくらいです。
多くの車道が歩行者天国となり、いまでは自転車専用道路が535kmもあるそうですよ!
重厚な石造建築の中を走り抜ける近代的なデザインのトラムは、なぜか調和がとれています。
クレべール広場
旧市街の中心にあるクレベール広場の名は、ナポレオンのエジプト遠征に同行した
ストラスブール出身のクレベール将軍から来ており、広場の中央には彼の像が堂々と立っています。
クレベール広場からグーテンベルグ広場までは、ショップやカフェなどがぎっしりと並んでいいるので、
途中ウインドーショッピングを楽しみながら大聖堂へと向かいます。
グーテンベルグ広場
ノートルダム大聖堂の近くにあるのはグーテンベルグ広場です。
15世紀中頃に、活版印刷をヨーロッパで初めて実用化した発明家グーテンベルグを記念した広場で、
中央にはグーテンベルグの銅像が設置されています。
ノートルダム・ド・ストラスブール大聖堂
壮大なストラスブール大聖堂が両脇に並ぶ建物の間から姿を見せ、圧倒的な存在感です。
ストラスブール大聖堂の建設には、1015年から250年の歳月が費やされており、ロマネスク様式で創建され、
ゴシック様式へと生まれ変わり、ゴシック建築の大傑作といわれています。
1439年に完成した尖塔の高さは142mと、教会の中では世界6位の高さを誇ります。
塔が左側に1つしかなくて、アンバランスな感じがするのですが、設計図には2つの尖塔があったそうです。
2つ目の尖塔が建てられることなく、現在に至っていますが...資金不足だったのでしょうかね?
大聖堂はヴォージュ山の赤砂岩を使用しているので、少し変わった赤茶色をしています。
ファサードの透かし細工は、レース編みのような繊細な技術が使われています。
聖堂内は、ゴシック様式の特徴で天井が非常に高く造られており、彫像やステンドグラス、
パイプオルガンなど優美な装飾が施されています。
ステンドグラスは、12~14世紀に造られたものが多く、4600パネルがあるそうです。
大聖堂内に入る自然の光で照らされるステンドグラスの光は、非常に幻想的です。
聖堂内の見学を終えたら、聖堂を出て左手の階段から屋上へアクセスしてみてください。
エレベーターはなく、332段の階段を上ることになりますが、旧市街、ヴォージュ山脈、
はるか遠くに黒い森など絶景が広がっています。
ロアン宮殿
大聖堂の近くに立地するロアン宮殿は、18世紀にストラスブール司教の住居として建てられ、
現在は、「装飾博物館(Musee des arts decoratiff)」、「絵画美術館(Musee des beaux-arts)」、
「考古学博物館(Musee Archeologique) 」の3つの美術館で構成されています。
「装飾博物館」は、後期バロックやロココ様式などロアン枢機卿の豪華な住居の装飾や調度品、
17~19世紀の陶磁器・金細工・時計などストラスブールの芸術品などの展示が見られます。
「絵画美術館」では、ジョット(Giotto)、ヴォッティチェッリ(Botticelli)、ラファエロ(Raphael)、
ゴヤ(Goya)、ルーベンス (Rubens)など、17~19世紀のフランドル絵画からルネッサンス絵画の展示、
「考古学博物館 」では、アルザス地方で発掘された旧石器時代から8世紀までの農業・狩り生活など
歴史を垣間見るコレクションが展示されています。
ストラスブールの街中では、この地方独特の白い壁に黒い塗の木組み建築様式を見ます。
旧市街から15分ほど歩くと、「プティット・フランス」と言ってこの木組み建築群が見られる
地区があるので、ぜひ足を運んでみてください。
次は桟橋へと向かい、ストラスブールを水上から観光してみます☺
ストラスブールを水上から観光する
川と運河に囲まれたストラスブールでは、ボートツアーは外せません。
プティット・フランス、ノイシュタット(新市街)、サン・ポール大聖堂、欧州連合地区など
イル川と運河を1時間で巡り、水上からのストラスブール観光が楽しめます。
ボートツアーには日本語の音声ガイドも付いています。
ロアン宮桟橋から「バトラマ」というボートツアーが発着していて、桟橋ちかくにチケット自動販売機が
設置されているので、希望の時間帯とボートのタイプを選び、前もって購入することもできます。
ボートのタイプはガラス張りの冷暖房付きと天井のないボートの2種類で、7月の暑い時期だったので、
冷房付きのボートを選びましたが、冷房付きでも日差しの強い時間帯は照り返しでかなり暑く、
焦げそうでした。
日差しが弱くなってからの夕方以降の乗船がお勧めです。
ストラスブールで宿泊したホテル
日帰りで訪れるのではなく、ストラスブールを起点に列車やバスでの移動を考えている場合は、
中央駅の周辺のホテルが便利で、3~4ッ星でも意外とリーズナブルに宿泊できます。
駅の周辺で冷暖房完備、フリーWiFi、ケトルつきのホテルを検索して、 ホテル ヴァンドーム
「Hôtel Vendôme」というリーズナブルな3つ星ホテルをみつけました。
ホテルの近くにスーパーやマクドナルドなどがあり、部屋はシンプルだけど清潔でスタッフも親切でした。
部屋の窓からは駅が見えて景色も楽しめたので、また機会があればリピートしようと思います。
ホテルの料金は、予約サイトによって同じホテルでも上下することがあります。
口コミサイトで有名な トリップアドバイザー などから探すと、予約サイトの料金比較を確認しながら
ホテル選びができるので便利です。同じホテルなのに料金が違うと損をしたような不快感がありますよね!
まとめ
ドイツとフランスの文化の混ざった美しい街ストラスブールは、コンパクトで1日観光にぴったりです。
イル川に架けられた橋の所々には、手入れの行き届いた鮮やかな花が飾られ、街並みを見ながら
散策するだけでも十分楽しめるフォトジェニックな街です。
私たちは、このストラスブールからスイスのバーゼルへ日帰りで行ったり、ドイツのマンハイムや
フランクフルトへアクセスしました。
大都市パリを主要として観光する場合、のどかなストラスブールを日帰りで訪れてみるのも
変化があっていいのではないかと思います。