ルネッサンスの巨匠ラファエロが眠る「パンテオン」はローマ建築の傑作!

イタリア

ローマの観光スポットといえば、コロッセオ やトレビの泉などが頭に浮かびますが、個人的には
ローマで絶対見てほしい観光スポットの1つが「パンテオン」です!

ミケランジェロも「天使の設計」と称賛したというパンテオンは、2000年ほどの歴史を誇る
世界で最も古い「石造建築」です。(ミケランジェロの傑作を無料で見学できるスポットは こちら )

パンテオンの見どころは建築だけでなく、レオナルド・ダビンチ、ミケランジェロと並ぶイタリアの
ルネッサンスに活躍した芸術家「ラファエロ」やイタリアの王族の墓など見学スポットも豊富です!

長年無料で入場できたパンテオンは、2023年7月から5ユーロと有料となってしまいましたが、
それでも一見の価値はあります。

数多くの芸術家を魅了したローマ建築の傑作パンテオンの見どころを紹介します。

パンテオンとは?

パンテオンとはギリシア語で、「あらゆる神を祭った神殿=万神殿」という意味です。

紀元前25年頃に、ローマ初代皇帝・アウグストゥスの側近アグリッパ (Marcus Vipsanius Agrippa) によって建設された世界最古の石造建築物です! 初代パンテオンは、紀元後80年の火事で焼失してしまい、
現在のパンテオンは、ハドリアス帝によって115~118年に再建された2代目です。

ローマにキリスト教が布教した後、神に対する信仰が次第に薄れ、信仰の対象がキリスト教へと変遷するに
伴って、建物を解体せずに609年に教会へと改修されました。

1980年には「ローマ歴史地区は教皇領、サンパオロ・フォーリ・レ・ムーラ教会」とともに世界遺産の
文化遺産として登録されています。

数多くの芸術家を魅了した壮大な建築

2000年の歴史をもつパンテオンは、使用中の建物としては世界で最も古く、ほぼ完全な状態で存在している
建物として有名です。その強さの秘密は、火山灰、石灰、火山岩、海水を混ぜ合わせて作られている
ローマンコンクリートという素材だといわれています。

建物正面は、1列8本の高さ14メートルからなる頑丈な柱が並ぶギリシャ風の神殿のようですが、
中に入ると巨大な球体が入った空間のドーム構造になっていて迫力満点です。

直径43.2メートルのクーポラの高さは、43.2メートルで完全なドーム球体で設計され、
6メートルの厚みのある壁がクーポラを支えています。

上層の格子状の掘り込みは、クーポラを薄く軽くするために造られたデザインで、
上層へ行くほど重さが軽減されるように設計されています。

クーポラの天井には9メートル穴が開き、太陽の光が入る仕組みになっています。
この穴はラテン語では「オクルス(oculus・目)」と呼ばれ、「パンテオンの目」といわれる採光窓です。

この光の動きによって時間の流れを感じ、パンテオンの表情が変化していきます。

天井の穴にはガラスなどがはめ込まれていない為、大雨が降ったときは内部に雨がザーザーと入ります。

ではパンテオンは水浸しに……? いえいえ、そんなことはありません!

床に排水孔が通されているので、雨が降ったときの水はけ対策もされているのです。
古代ローマ時代に造られた建物とは思えないような高度な設計です。

パンテオンには偉大な人物の墓が...

パンテオンの見どころは、壮大な建築だけではありません。

19世紀後半からイタリア王のウンベルト1世(UmbertoⅠ)や、ヴィットリオ・エマヌエーレ2世
(Vitorrio EmanueleⅡ)など重要人物がここに埋葬されるようになりました。

そしてルネサンスの画家・建築家として有名な「ラファエロ」もパンテオンに埋葬されています。

ラファエロの墓

イタリアのルネッサンス期にレオナルド・ダビンチ、ミケランジェロと並んで活躍した天才芸術家
ラファエロの墓は、弟子のロレンツェットによって製作された「石の聖母」と呼ばれる聖母子像の下です。

1520年、ラファエロ(Raffaello Sanzio)は、わずか37歳で亡くなり、「パンテオンに埋葬してほしい…」
という希望どおり、パンテオンに埋葬されました。

突然死したラファエロの死因は不明ですが、容姿も良く優しい性格の人気者だったので、メディチ衰退後は
フィレンツェからローマに移り、ローマ教皇ユリウス2世とレオ10世の膝元で腕を発揮しました。

華やかな人生を送ったラファエロは、短い人生で120点以上もの作品を残しています。

ヴァチカン美術館 のラファエロの間にも素晴らしい壁画が残されているので、足を運んでみて下さい。

実はラファエロの墓は、没後300年経った1833年に彼が埋葬されていることへの疑惑が生じ、
掘り返されました。

木棺に納められた遺骸は医学的検証が行われ、ラファエロ自身であることが認定され、
教皇グレゴリオ9世が寄進した古代ローマ時代の石棺に移されて、元の場所へ戻されたということです。

歴史上の偉大な人物とはいえ、安らかに眠る死人の墓を掘り返す・・・というのは迷惑な話ですね。

 

ライトアップも幻想的

コロッセオ や トレヴィの泉と並んで、パンテオンのライトアップも幻想的です!

周囲にはカフェやレストランのテラス席もあるので、ゆっくりと景観を楽しみながら食事やドリンクを
楽しむのも旅の良い思い出になりそうです。

基本情報とアクセス

施設名:パンテオン ( Pantheon )
所在地:Piazza della Rotonda, 00186 Roma, Italy
見学時間:9:00~18:30
入場料:€ 5,00 /€ 2,00 (25歳未満)
*ローマ在住者や未成年者、教会のミサへの参加者は無料
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