サヴォイア家の築いたエレガントな街・トリノの1日観光スポット!
フランスとの国境に近い西北部に位置するトリノは、イタリアで4番目に大きな都市です。
トリノは、イタリアを統一したサヴォイア家が築いたエレガントな街で、
その後、イタリアの自動車メーカー「FIAT(フィアット)」が拠点を置き大産業都市に発展しました。
観光都市として日本ではあまり有名ではありませんが、サッカーファンなら知っている
セリエAの強豪チーム「Juventus (ユベントス) 」の本拠地でもあります。
そして、日本のショップでも目にするイタリアのコーヒーメーカー「LAVAZZA (ラヴァッツァ)」や「Gianduia(ジャンドゥーヤ)」チョコレートもトリノ生まれ!
また、世界遺産に登録されたサヴォイア王家の王宮群やエジプトのカイロに次ぐ貴重な財産を所有する
エジプト博物館、国立映画博物館など見学スポットが充実した都市なので、
あまり有名ではないというのが不思議なくらいです。
今回は、ローマから日帰りで訪れたトリノの半日観光スポットを紹介します。
ローマの観光スポットは、別ページ で紹介しているので、気になる方はチェックしてみてください。
ローマからトリノへのアクセス方法
ローマからトリノは、イタリアの新幹線 frecciarossa(フレッチャ・ロッサ)で所要時間4時間半前後、
チケットは片道約 € 50~100前後です。
私達は、チケットを1か月前にオンラインで購入していたので、日帰りの往復で €100前後でしたが、
当日券であれば、2倍ほどの料金になります。
乗る時間帯と時期によって料金も多少違ってきますが、オンラインチケットは180日前から購入可能なので、
予定が決まった時点で Trenitalia 公式サイト や Reileurope などのチケット販売サイト から事前に
購入すると、当日券よりかなり節約できます。
ミラノに滞在している場合は、ミラノ~トリノ間は2時間ほどなので、ゆっくりと日帰りできる距離です。
トリノの観光日数
日本では、トリノ...と聞いても観光都市としてピンときませんが、トリノにも結構みどころがあります。
有名な観光スポットをざっと見るのであれば、1日でも十分だと思います。
私たちは半日で観光したので、かなりの急ぎ足になってしまいましたが、まる1日あれば観光やグルメ、
ショッピング、ユベントスのスタジアム見学なども楽しめたかと思います。
トリノは観光スポットが市内中心地に集中しているので、大抵の観光スポットへは徒歩でアクセスできますが、
絶景スポットやスタジアムなどを効率よく廻りたければ、乗り降り自由な観光バス Hop-on-Hop-off などの
利用を考えてみてもいいかもしれません。
それでは、ポルタ・ヌオヴァ駅 (Torino Porta Nuova) からトリノ観光スタートです。
ポルタ・ヌオヴァ駅
1861 年から開業したポルタ・ヌオヴァ駅は、フランスの駅舎を思わせるようなエレガントな
ファサードが特徴で、イタリアで5番目に美しい駅舎といわれています。
20のプラットホームからなり、年間 7,000 万人の乗客を受け入れる非常に混雑した大型の駅で、
構内には、40店舗以上のショップとフード店の入ったショッピングモールや荷物預かり所などもあります。
サンカルロ広場
トリノで最も美しい広場の1つといわれる「サン・カルロ広場 (Piazza San Carlo) 」の中央には
16世紀にトリノの発展に貢献した、サヴォイア家のエマヌエレ・フィリベルト(Emanuele Filiberto)像が
設置されています。
「トリノの応接間(Salotto di Torino)」となずけられたこの広場では、しばしばコンサートや政治など
週末のイベント会場として使われることがあります。
広場を囲む建物の色や高さの統一感がとても美しい広場です。
この界隈は、日本でも人気のH&M、Bershuka、Zaraなどファストファッションのチェーン店や
高級百貨店Rinasciente、食料百貨店 Eatalyなどが並ぶショッピング街で、大勢の人で賑わっています。
エジプト博物館
トリノに来たら絶対に見逃せない観光スポットの一つが、「エジプト博物館 (Museo Egizio)」です。
世界で最も古いトリノのエジプト博物館は、カイロのエジプト考古学博物館に次ぐ、
重要な遺産を所蔵する博物館で、彫像、石棺、葬儀用品、ミイラ、パピルス、お守り、宝石など
古代文明と歴史をたどる重要な出土品が約40,000点所蔵されています。
詳しくは、別ページ で紹介しています。
カステッロ広場
トリノの歴史はここから始まったともいえるカステッロ広場には、1997年「サヴォイア王家の王宮群」
としてイタリアの世界遺産に認定された、サヴォイア家の「王宮」、王妃たちが暮らした「マダマ宮殿」、
トリノで最も美しい教会の一つ「サンロレンツォ教会」などが広場に面して建てられています。
マダマ宮殿
マダマ宮殿は、カルロ・エマヌエーレ2世の未亡人、マリー・クリスティーヌが住んでいたことから
マダーマ宮殿(夫人の宮殿)と呼ばれています。
古代ローマ時代の建物を改築した中世の城館を15世紀にサヴォイア家によって塔などが増築され、
1934年に「市立古代美術館 (MUSEO CIVICO D’ARTE ANTICA)」として2006年、
リニューアルオープンしました。
館内にはイタリア絵画を中心とした、中世初期からの装飾ガラス細工、陶磁器、金細工、勲章類など、
2万8000点のコレクションが展示されています。
王宮博物館
トリノ王宮 (Palazzo Reale di Torino)は、サヴォイア王家の王宮群として世界遺産に登録されています。
1865年までサヴォイア王朝の住まいであった王宮は、ヨーロッパの他の王宮に劣らない立派な造りで、
ネオクラッシック、バロック、ロココ様式などの建築様式がみられます。
現在「トリノ王宮博物館(Musei Reali Torino)」として、王宮、王立武器庫、王立図書館、美術館、
古代美術博物館、王立庭園など複数の施設から構成され3Kmにわたる見学コースが待ち受けています。
ちなみにエレガントな王宮庭園は、無料で散策ができます! 詳しくは 別ページ で紹介しています。
モーレ・アントネッリアーナ
トリノのシンボル、モーレ・アントネッリアーナ (Mole Antonelliana) の塔。
2000年7月に国立映画博物館として開館され、映画の歴史の展示のみでなく、
大人から子供まで楽しめる体験型の博物館です。
展望フロアに上がるシースルーのエレベーターがあり、高さ85メートルの展望スペースからは、
アルプス山脈を背景にした美しいトリノの街並みが楽しめます。
モーレ・アントネッリアーナ と国立映画博物館については、別ページ で詳しく説明しています。
ヴィットリオ・エマヌエーレl世橋から見るポー川
イタリア北部を横断しているポー川は、イタリアで一番長い川です。
川沿いは数多くのレストランやバール、露店などが出て大勢の人で賑わっています。
川の上にはナポレオン時代に造られた「ヴィットリオ・エマヌエーレ1世橋」が架けられ、
それを渡るとどこかで見たような感じの教会が見えてきます。
グラン・マードレ・ディ・ディオ教会
どこかで見たような感じの教会だな...
と思えば、ローマのパンテオンをモデルにして造られたネオ・クラッシック様式の教会です。
ここには、第1次世界大戦で亡くなったピエモンテ州の兵士4千人の遺骨が納められているようです。
モンテ・ディ・カプチーニ の丘
トリノの全景は、このモンテ・ディ・カプチーニの丘(Al Monte Dei Cappuccini)から見ることができます。
グラン・マードレ・ディ・ディオ教会の後ろから、小高い丘の上へ15分ほど急な坂を登りますが、
登り切った後、絶対来てよかったと思わせるほどの絶景が広がります‼
まとめ
お隣のフランスから100キロ程しか離れていないトリノは、イタリア初代王国が置かれた街であり、
サヴォイア家によって多くの芸術、文化、建築などが持ち込まれたエレガントな街です。
観光スポットは殆ど徒歩圏内なので、公共交通機関を使うことはないかもしれませんが、
メトロ・高速鉄道も時間通り規則正しく発着し、ローマに住んでいる私にとっては、
同じイタリアとは思えませんでした。
ローマからの日帰りで観光したので不可能ではありませんが、できればトリノかミラノなど
近くの都市に宿泊して観光すれば、もう少しゆっくり廻ることができます。
美術館・博物館巡りを計画している場合は、Torino+Piemonte City Card というカードを持っていると、
対象施設に無料で入場できたり、優待割引が受けられるのでお得です。