パリでいちばん高い丘「モンマルトル(Montmartre)」は、パリの北側に位置する階段と坂道、
石畳の小道が曲がりくねるパリの下町です!
かつてモンマルトルは風車やブドウ畑が広がり、ワイン造りが行われるパリ郊外の独立した村でした。
入市税がかからない為、パリ市内よりも安くお酒が楽しめる場所として多くの人々が集まり、
居酒屋やダンスホールが軒を並べる歓楽街として活気ずき、今もその名残りがみられます。
1860年、パリの改造計画に基づいて18区としてパリに併合され、ピカソ、ゴッホ、モディリアーニ、
ルノワール、ユトリロなど、今では知らない人のいない有名な画家たちが安いアパートやアトリエを
求めてこの地に集まり、街の変貌を遂げてきました。
このページでは、多くの芸術を魅了したモンマルトルの丘を半日で散策したスポットを紹介します。
モンマルトルへの行き方
モンマルトルは標高130mに位置するパリで一番高い丘なので、どのルートを辿っても、
延々と続く階段や坂道は避けられませんが、苦労して丘の頂上まで登れば、パリの絶景を楽しめます。
また、パリの中心部とは全く違った素朴な街並みがみれるので、とても新鮮です。
徒歩でアクセス
ルートは、行き先によって地下鉄の降車駅を選ぶのが得策です!
サクレクール寺院へいく場合は、地下鉄2号線の「アンヴェール (Anvers ) 駅」で降ります。
階段がありますが、それほど急ではないので頑張れます。
テルトル広場へいく場合は、地下鉄の12号線のアベスという駅で降りると近道ですが、
アベス広場側にある階段は急傾斜です。
そのうえ、アベス駅内にある地上に出る階段数がかなりきついので覚悟が必要です。
ミニトレインを利用する
2号線の「Blanch(ブランシュ)駅」でおりると、ムーランルージュのある広場から、
丘の上のサクレクール寺院の脇まで観光用の「プチトラン」が夏場は30分毎、
冬は45分毎に出ています。
坂を苦労して上る必要がなくなるので、この手段を検討してみてもいいかもしれません。
サクレクール寺院
パリで一番高いモンマルトルの丘の頂上に立つ「サクレクール寺院(Basilique du Sacré-Cœur)」は、
戦争の犠牲者を弔うことを目的に1919年に建てられました。
サクレクールとは、「聖なる心臓」という意味合いです。
パリのどこからでも見れる大聖堂は、真っ白い外観と大小6つのドームからなるロマネスク様式と
ビザンチン様式で構成され、完成までに40年以上の歳月が費やされました。
ファサードを飾るブロンズ像は、ルイ9世とフランスの英雄ジャンヌ・ダルクの2体の騎馬像です。
ドーム内側のキリスト昇天の立派なモザイク画や美しいステンドグラスも必見です。
サクレクール寺院の見どころやアクセス方法を 別ページ で詳しく紹介しています。
モンマルトルの丘の頂上からパリを見下ろす
サクレクール寺院の広場からパリの街並みが一望できます。あのエッフェル塔を見下ろす高さです!
パリ市内の建物は、景観を保つために高さの規制がされているというのがよくわかります。
サクレクール寺院の裏手のエリアは、カフェやレストラン、お土産店、アトリエなどが軒を並べる
フォトジェニックなエリアで、歩いているだけでも楽しくなります。
テルトル広場
所在地:Pl. du Tertre, 75018 Paris
テルトル広場 (Place du Tertre)は、パリの芸術家の集まる場所で、人気観光スポットの一つです。
大勢のアーチストたちが絵を描いている風景は、古き良きパリを思わせます。
ちなみに広場に自分の場所を確保して風景画や似顔絵などを描いたり販売しているアーチストたちは、
パリ市の営業許可証をもってお仕事をしている人たちです。
似顔絵を描いてもらう場合は、最初に値段を交渉することをお勧めします。
周囲を歩いていると、「似顔絵を描いて見ない?」とひつこく勧誘してくる人たちがいますが、
許可証を持たない人たちで、勝手に書いて売りつけられる場合があるので、注意が必要です!
テルトル広場からくだっていくと、小さな広場に女性のブロンズ像があります。
場所:Rue de l’Abreuvoir, 75018 Paris
1997年に設置されたイタリアに帰化したフランスの歌手・女優の美女「ダリダ」を偲ぶブロンズ像。
歌手デビュー後、ヒット曲に恵まれ一躍スターとしての道を歩みますが、男性運に恵まれず、
交際していた男性3人が自殺してしまうという不運に満ちた生涯を送り、
その後、人生に疲れたダリダも1987年5月3日に命を絶ってしまいます。
彼女の胸を触ると幸せな人生が送れるという言い伝えがあり、多くの観光客が訪れます。
壁抜け男
場所:Place Marcel Aymé 75018, Paris
マルセル・エイメ広場の壁から現れたブロンズ像は、1943年、小説家・劇作家のマルセル・エイメ
(Marcel Aymé)による最も有名な短編小説「壁抜け男(Le Passe-Muraille)」の主人公デュティユル像。
壁を抜けることができる自分の能力に気づき、色々な建物の壁を抜けるようになりますが、
恋に陥ったデュティユルは頭痛に悩まされ、クスリ飲んだ瞬間に壁抜けの能力が消えてしまい、
壁の中に囚われてしまった瞬間をモチーフにしたものです。
芸術家の集まるモンマルトルならではのユニークなスポットです。
ベーカリやカフェ、レストラン、新鮮な魚屋さんの店舗を覗いてみるのも楽しいです。
ジュテームの壁
所在地:Square Jehan Rictus, Place des Abbesses, 75018 Paris
最寄りの駅:M12 Abbesses
メトロ12号線 Abbesses (アベス) 駅を上がってすぐの小さな公園の壁に、311ヵ国語の異なる言語で
埋め尽くされた『愛しています♥』
現代アーティスト「フレデリック・バロン氏(Frédéric Baron) 」の構想のもと、アーティストで書道家の
クレール・キト(Claire KITO)氏の協力を得て2000年にできた、パリでは比較的に新しいスポットです。
ここで告白されたら永遠に結ばれる...といわれるロマンチックなスポットとして世界的に有名です!
日本語でも書かれているので見つけてくださいね♪
ムーランルージュ
ムーラン・ルージュ (Moulin Rouge) といえば、モンマルトルの麓の歓楽街にある赤い風車は印象的です。
画家トゥールーズ=ロートレック(Henri de Toulouse-Lautrec)が描いた、キャバレーのダンサーたちの
ポスターを思い浮かべる方も多いのでは?
今までに6本の映画の舞台にもなったムーラン・ルージュは、130年の歴史のある世界的に有名な
ナイトクラブで、ショーを観ながら食事が楽しめる観光スポットです。
パリの夜は、ムーランルージュでディナーショー を楽しむのもいいかもしれませんね。
まとめ
モンマルトルの散策いかがでしたか?
階段と延々と続く坂道、石畳の小道が曲がりくねる下町情緒溢れる素朴なパリを感じられるエリアです。
パリは美しく魅力的な都市ですが、危険な場所と安全な場所が向かい合っていて、安全な地区でも
通りを一筋またいだり、昼と夜では全く違った光景になることがあります。
こちら18区モンマルトルは、丘の上は高級住宅街、麓は沢山の風俗店が並ぶ歓楽街です。
昼間は大勢のツーリストで賑わう人気エリアなですが、日が沈んでから丘の上は人がいなくなり、
麓は暴力バーの客引きなどがお仕事を始めるので、安全な散策スポットとは言いきれません。
昼間でも強引な物売りやひったくり、スリなどがいるので、人通りの少ない路地などは注意を払いましょう。