サクレクール寺院は、標高130mのパリで一番高いモンマルトルの丘の頂上に聳え立つ大聖堂です。
19世紀に戦争の犠牲者への祈りを捧げるために建設されました。
近年、キアヌ・リーヴスが伝説の暗殺者を演じる人気シリーズ『ジョン・ウィック:コンセクエンス』の
ロケ地になったことでも有名です。
このページでは、サクレクール寺院の見どころや歴史、アクセス方法について紹介します。
サクレクール寺院とは
サクレ・クール寺院(Basilique du Sacré-Cœur)は、1870年にフランスとプロイセンの間に起こった
戦争と、終戦直後に蜂起したパリ・コミューンの犠牲者を弔う祈りのための寺院です。
サクレ・クールとは、フランス語で「聖なる心臓」という意味合いです。
サクレ・クール寺院の構想は、当時のパリ大司教ジョセフ・イッポリト・ギベールによって発案されました。
モンマルトルの丘が建立の地に選ばれたのは、パリ・コミューンに参加した多くの人々が最期を迎えた
場所であり、古くから「殉教者の丘」として知られていた特別な土地だったからです。
大聖堂の建設について
サクレクール寺院は、パリで一番高いモンマルトルの丘の頂上に立つランドマーク的な存在で、
パリにある教会の中でもひときわ異彩を放つ白いドームが特徴で、街のどこからでも見ることができます。
建物全体は幅35m奥行き85m、地下にはクリプタ(墓所)があり、一番大きい中央のドームの
高さは55m、直径16mもあります。
サクレ・クール寺院が完成したのは1914年で、1875年に着工されてから40年もの歳月をかけた
大工事でした。
大聖堂を設計したのは、ノートルダム大聖堂の修復にも参加した建築家・修復建築家ポール・アバディ
(Paul Abadie)です。
アバディは、40年以上の歳月を費やした大聖堂の完成を見ることなくこの世を去ります。
大聖堂のみどころ
サクレ・クール寺院は、展望台と地下のクリプト(墓所)をのぞいて無料で見学できます。
大聖堂の見どころは、正面ファサードに置かれた彫像と聖堂内のモザイク画やステンドグラスです。
正面のファサードを飾る中央には訪問者を迎えるキリスト像、その両脇には大聖堂とキリストを守るように
左にルイ9世と、右にフランスの英雄ジャンヌ・ダルクの5mにも余る2対の騎馬像がおかれています。
中央祭壇のドーム内側には、480平方メートルに及ぶ豪華なキリスト昇天のモザイク画や、
色鮮やかなステンドグラスなどがあります。
パノラマ展望台
ドーム展望台へは有料で、300 段の狭い螺旋階段を上ってアクセスすることができます。
エレベーターや途中休憩できる場所はなく、すれ違うのに十分なスペースがない所もありますが、
展望台からはパリの 360 度のパノラマ ビューが満喫できます。
*アクセス時間は季節によって異なる場合があり、気象条件やメンテナンスにより変更される場合があります。
ドーム入場料:一般(16歳以上) € 8、(15歳以下)€ 5
映画のロケ地にもなった
亡き妻に贈られた犬を殺されたことをきっかけに、裏社会に舞い戻った伝説の殺し屋ジョン・ウィック
(キアヌ・リーブス)が、平穏と自由を求めて戦い続ける第4弾『ジョン・ウィック:コンセクエンス』の
決闘のシーンで、222段の階段落ちを達成したのが、サクレクール寺院正面の階段です。
映画の中で痛々しいシーンは沢山ありましたが、階段を何回も落ちるシーンは、痛さが伝わってきました。
階段を見ながら、そのシーンがよみがえってくるかもしれませんね!
無料で見れるパリのパノラマ
パリで一番高いモンマルトルの丘の頂上に位置するサクレクール寺院前の広場からは、パリの街並みを
一望することができます。街中で見上げていた、あのエッフェル塔を見下ろせるスポットです!
広場からは無料でパノラマを楽しめるので、わざわざ有料のドームへ上る必要がないかもしれません。
こちらから見ると、パリ市内の殆どの建物は、景観を保つために高さの規制がされているというのが
よくわかります。
モンマルトルの散策スポットを 別ページ で詳しく説明しています。
サクレクール寺院への行き方
サクレクール寺院は、パリで一番高いモンマルトルの丘の頂上にあります。
どのルートを辿っても階段や坂道は避けられませんが、地下鉄2号線の「アンヴェール (Anvers ) 駅」
からだと階段はありますが、それほど急ではないので頑張れます。
ムーランルージュのある広場からサクレクール寺院の脇まで観光用の「プチトラン」が
夏場は30分毎、冬は45分毎に出ているので、検討してみてもいいかもしれません。
基本情報
サクレクール寺院 [Basilique du Sacré-Cœur]
場所:35 Rue du Chevalier de la Barre
見学時間:6:30~22:30 *ミサが行われてるときは見学できません。
拝観料:無料(ドームと地下聖堂への入場は有料です。)
公式サイト