画廊やストリートアートが最も多く集まるパリ3区・マレ地区に立地する「パリ国立ピカソ美術館
(Musée National Picasso-Paris)」は、17世紀に建てられた「オテル・サレ(Hôtel Salé)」という
邸宅内にあります。
オテル・サレ(=塩の館)という名前の由来は、ルイ14世の時代に塩税の徴収官であった
ピエール・オーベールが建てたことにちなみます。
ずっしりと重みのある歴史的建造物中には、古い家屋を好んだ20世紀で最も影響力のある芸術家
パブロ・ピカソの作品の中でも彼が最後まで手放さなかった重要な作品が展示されています。
ピカソ美術館について
パリ国立ピカソ美術館は、オテル・サレを改修して1985年にオープンしました。
世界で最も豊かなコレクションとして知られているパリ国立ピカソ美術館は、1973年に亡くなった
スペインの画家パブロ・ピカソ(Pablo Picasso)の遺族が相続税として納めた、絵画から彫刻まで
5000点余りのコレクションを基本に構成されています。
相続税として納めなくてはいけなかった理由は、ピカソが遺言を残さずこの世を去ったため、
遺産相続の際に巨額の相続税が発生し、多くの作品が相続税としてフランスに収められたそうです。
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ピカソの作風の変化がみれる展示
ピカソが生まれて最初に発した言葉はママやパパではなく、lápiz(鉛筆)だったそうです。
そのころから、天才画家の道を進むことが決められていたのかもしれませんね!
ピカソは教員をしていた父親の影響で、7歳の頃から筆を握り始め、8歳の時にはすでに周囲に認められる
実力を発揮していたそうです。
ピカソが最も多作な画家としてギネスに認定されているのは有名ですが、こちらピカソ美術館には、
彼のコレクションの中でもピカソ自身が売却を拒み、最後まで手放さなかった貴重な作品が含まれています。
また、ピカソの鬱だった青の時代、バラ色の時代、キュビスム、新古典主義、シュルレアリスム...と
彼の傍にいる女性が変わるごとに次々に作風を変えていきましたが、その年代ごとに20室に展示され、
作品を通してピカソの作風の変化を見ることができます。
また、コレクションの中には、ルノワールやセザンヌ、ドガ、ユトリロ、シャガールなど、
ピカソ自身が収集した作品も含まれているので、どのような作品を好んだかという点でも興味が湧きます。
見学のあとは、ミュージアムショップを覗くのも美術館巡りの一つの楽しみです。
ここでしか買えないピカソのデザインしたミュージアムグッズが手に入ります!
見学時間とチケットの購入について
国立ピカソ美術館は、パリの美術館の中でも多くの訪問者を迎える人気のある美術館です。
チケットは現地でも購入できますが、美術館公式ページから事前購入することで、列に並ばず美術館に
優先的に入場できます。混雑を避けるため、美術館側も事前のチケット購入を推奨しています。
また、パリで美術館巡りをする予定であれば、滞在日程によってパリとその近郊にある美術館・博物館などの
施設50か所以上を利用できる「パリミュージアムパス」の購入も検討してみてもいいかと思います。
施設ごとにチケットを購入する必要がなく、優先的に入場できるので時間が節約できます。
無料の見学日について
国立ピカソ美術館は、第1日曜日は無料で入館できます。
この機会にと思い第1日曜日に一度訪れましたが、無料なので通常よりも長蛇の列ができていました。
結局、1時間以上列に並び時間のロスになったので、予定の詰まったツーリスト向きではないです。
ピカソの作品をゆっくり見たい方は、通常の日に訪れるのがお勧めです。
基本情報とアクセス
パリ国立ピカソ美術館 (Musée National Picasso-Paris)
所在地:5 Rue de Thorigny 75003 Paris
見学時間:火曜‐金曜 10:30~18:00 / 土・日・祝日 9:30~18:00 休館:月曜、1/1、5/1、12/25
入場料:€ 14 、オーディオガイド: € 5 ★毎月第一日曜日は無料
ピカソ美術館 公式サイト
最寄りのメトロの駅
M1 Saint-Paul (サン・ポール) 駅
M8 Saint Sebastien Froissart (サン=セバスチャン・フロワサール) 駅
M8 Chemin Vert (シュマン・ヴェール) 駅