街すべてが世界遺産?!イタリア「 シエナ」中世の街並み1日散策スポット!
シエナはイタリア中部のトスカーナ州を代表する都市の一つで、旧市街全体が「シエナ歴史地区」として
1995年に世界遺産に登録されています!
ローマやミラノなどの大都市とは異なり、石畳の曲がりくねった細い路地や建物どうしをつなぐアーチなど、
中世の面影を残した静かな街の散策が楽しめます。
シエナの歴史地区は、徒歩で観光できるコンパクトな大きさで、おもな見どころは街のメイン広場
「カンポ広場」と丘の上の「大聖堂」の2つです!
今回は、ローマから格安長距離バスを使って娘と2人で日帰りで廻った、シエナ歴史地区の
1日散策スポットを紹介します。
ローマからシエナへのアクセス方法
シエナへ行く方法は、長距離バスと列車を利用する方法があります。
私たちが利用したのは、フリックスバス(FLix Bus) という長距離バスです。
フリックスバスは、ヨーロッパの都市間を低価格で繋ぐ長距離バスで、チケットはオンラインで購入できます。
APPからも簡単に購入でき、チケットはモバイルからの電子チケットの提示でOKです!
ローマのティブルティーナ駅にある長距離バスの駅からシエナまでの直行バスで、所要時間約2時間45分、
片道 10ユーロほどで行けます。(切符の値段は、時期・時間帯によって上下します。)
シエナでの停留所は、シエナの列車の駅前に停車します(帰る時も同じ場所) 。
フリックスバスを使う利点
- よほどの交通渋滞や事故が無い限り、目的地に予定時間通り到着する。
- 料金が安くシエナまでノンストップなので、人の乗り降りの多い列車と比べると安全。
鉄道を使わない理由
- 乗り換えをしなければいけない。
- 片道の最低所要時間が3時間20分で、39ユーロかかる。(片道20ユーロだと4時間ほどかかります。)
シエナの鉄道・バス駅から歴史地区へのアクセス
駅を背にして正面にショッピングセンターがあるので、その中へ入りエスカレーターで
3階のフードコートまで上がります。
このショッピングセンターの中には、スーパー、ショップ、レストラン、カフェ、
無料のトイレ(1F, 3F 3階のほうが空いていてきれい) があります。
無料のトイレは、とてもありがたく行き帰り利用させていただきました。
正面にガラスの自動ドアがあるので、そこを出て別のエスカレータに乗ります。
エスカレーターは、非常に長く永遠に続くので、何度乗り換えたかはっきりと覚えていないのですが、
エスカレーターを乗り継ぐだけで、シエナの歴史地区のある丘の上に辿り着きます。
建物を出て左手に行くと、テラスから街の景色が見渡せるようになっています。
レンタサイクルも設置されているので、サイクリングを楽しんでもいいですね。
さらにその先へ進むと、城壁に囲まれたシエナ歴史地区の入り口に辿り着きます!
シエナの歴史地区
シエナの街はぐるっと城壁で囲まれ、一歩足を踏み入れると中世にタイムスリップしたようです。
シエナは、13~14世紀フィレンツェと激しい覇権抗争を繰り広げながら、ヴェネツィア、ピサ、
ジェノヴァとの金融取引で莫大な富を得て隣国フィレンツェを凌ぐほどの繁栄を極めた「シエナ共和国」
という都市国家でした。
しかし、シエナの栄光は長く続かず、次第にフィレンツェの後塵を拝するようになり、
14世紀中頃から流行したペストがシエナを危機に追い込み、最盛期の街並みがそのまま化石のように
残され現在に至ります。
シエナ歴史地区は、すべて徒歩で廻れます。
石畳の曲がりくねった路地を歩きながら、大都市にはない中世の街並みを楽しんでみてください。
シエナの観光スポット
サリンベーニ宮
サリンベーニ宮は、14世紀に建てられたシエナゴシック様式の建物です。
1472年に創業した世界一古い銀行として有名なモンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナの本部が入っています。
シエナは交易の要所として商業、金融業、手工業が栄え、モンテ・ディ・パスキ・ディ・シエナ銀行が
誕生した町としても有名です。街の通りに銀行にちなんだ名前が多いのもその名残りです。
シエナでローマの建国の由来となった雌狼とロムルスとレムスを発見!
この先、シエナの街を歩いていると、色々な場所で目にかかりました。
なぜ、ローマを建国したロムルスとレムスの像がシエナの至る所で見られるのでしょうか?
実はローマ建設の王座争いで、レムスは兄弟のロムルスによって殺害されてしまい、
レムスの子供であった双子「セニウスとアスキウス」も命を狙われます。
双子はローマのシンボルの像を盗み白と黒の馬に乗り、ローマを逃れシエナの街にたどりつき、
シエナの街を創設したという伝説から、シエナの紋章などにローマと同じ雌狼と双子の姿が見られるのです。
イタリアで1番美しいといわれるカンポ広場へと階段を下りていきます。
この狭い路地にはお土産店やトラットリアで食事をする人たち、そして広場へ向かう人でいっぱいです!
この景色はイタリアらしいです。
シエナについてはよくわかりませんが、ローマでは自分の敷地でなくても階段や路地、
歩道に席を設けてしまうレストランなどがあります。
後で、警察のコントロールなどで手ひどい罰金を支払う羽目になるのですが…
カンポ広場
広場を囲むようにできた建物の間には何本もの細い路地が広場へと繋がっています。
広場の正面には、プブリコ宮殿とマンジャの塔です。
シエナの街の中央部に位置するカンポ広場は、扇形で緩やかに傾斜していて、
広場を囲むように土産店やレストランが並んでいます。
この広場では年に2回(7月2日、8月16日)馬を用いて行われる祭り、パリオ祭が開かれます。
日本で言うと競馬のようなもので、シエナの17地区のうちの代表10地区が競技に出場して、
速さを競うお祭りです。
競技の前には、地区のメンバーが年代の衣装に身をまとって、教会を訪問後、街中をパーレドします。
幸運にも何年か前に見る機会があり、とても印象に残っています。
プッブリコ宮殿とマンジャの塔
102mの高さからシエナの街を見下ろすように建っているシエナのシンボル的な存在のマンジャの塔。
その横には13~14世紀に建てられた、美しいゴシック建築のプブリコ宮殿。
地上階は、現役の市庁舎として使用されており、1~2階(日本の2~3階)はシエナ派のフレスコ画で彩られ、
名画を展示する市立美術館 (全14室) になっています。
上階のテラスからは、シエナの街を見渡すことができます。
プッブリコ宮殿とマンジャの塔 の説明は別ページでしています。
市庁舎のあるカンポ広場を後に大聖堂へと向かいます。
シエナ大聖堂
シエナ最盛期のシンボル「シエナ大聖堂」は、1220年に起工され完成まで200年かけたという
立派なゴシック様式のファサードとロマネスク様式で造られた大聖堂です。
大聖堂の内部は、重みのあるボーダーの柱や大理石のモザイク、歴代法王の彫刻、
ステンドグラスなどで装飾されています。
ローマから日帰りで行けるオルビエートにも、このシエナ大聖堂によく似た造りで建てられた
大聖堂があります。
ピッコローミニ図書館
大聖堂の中では、長年公開されていなかった美しいフレスコ画で飾られたシエナの名門「ピッコローミニ家」
の書庫「ピッコロ‐ミニ図書館(Libreria Piccolomini) 」を見学することもできます。
クリプタ
クリプタ(Cripta )の入り口は大聖堂の外にありますが、クリプタはシエナ大聖堂の地下に位置し
1999年大聖堂の修復作業時に発見された貴重な場所です。
クリプタから出て階段を降り、大聖堂の最後のスポット「サン・ジョヴァンニ洗礼堂」へと向かいます。
ウンブリア州やトスカーナ州でよく見る絵皿工芸品店が近くにあり、必ず立ち止まって見てしまうのですが、
結構高いし一つ選んで購入するのが苦手な私は、いつも迷った挙句に買い損ねてしまいます。(笑)
サン・ジョヴァンニ洗礼堂
サン・ジョヴァンニ洗礼堂 (Battistero di San Giovanni)の入り口は、階段を降り切った左手です。
14世紀に建てられた洗礼堂は、シエナ絵画の代表的なフレスコ画で装飾されています。
中央には、フィレンツェでも活躍したギベルティ、ドナテッロをはじめとする1417~1431年の
主要彫刻家によってつくられた大理石と青銅、金箔のブロンズを使用して造られた洗礼盤があります。
共通券で廻れる大聖堂、ピッコロ‐ミニ図書館、クリプタ、洗礼堂を見てきました。
共通券に含まれる「付属美術館」は30分を超える長蛇の列だったので、時間の都合で断念しました。
フィレンツェへ列車でアクセスするときは、こちらから利用できます。
シエナ散策のまとめ
フィレンツェに滞在する方はもちろんのこと、ローマに何日も滞在する方は、ぜひシエナに
行ってみてください。
今回のシエナでの観光時間は7時間でした。
ローマからバスで快適に往復できて、ゆっくりと街中を散策し、夕飯も食べてバス停までたどり着きました。
11:30 シエナ到着~シエナ歴史地区観光~18:30 シエナ出発
私たちはイタリアの祭日に来たので、マンジャの塔やドゥオーモ付属美術館もかなり込み合って
見学できなかったのですが、平日であればもっとスムーズにいくと思います。