ベルヴェデーレ宮殿(Schloss Belvedere) は、オーストリアの英雄プリンツ・オイゲンの
夏の離宮として使用されていたところです。
無料で散策できる美しいバロック様式の庭園を挟んで、上宮・下宮の2つの建物で構成され、
それぞれ美術館として利用されています。
下宮は上宮に比べるとシンプルなデザインですが、オイゲン公の豪華な居室や美術品などが見学できます。
上宮では、クリムトをはじめエゴン・シーレや ヴァン・ゴッホなど19~20世紀の世紀末を代表する
画家の作品が数多く展示されており、ハイライトはクリムトの代表作「接吻」です!
ベルヴェデーレ宮殿について
ベルヴェデーレ宮殿は、オーストリア帝国軍の総司令官であったサヴォイ家のプリンツ・オイゲン
(Eugen Franz von Savoyen-Carignan) が当時人気の建築家ヨハン=ルーカス・フォン・ヒルデブラント(Johann Lukas von Hildebrandt)に造らせたバロック建築の傑作です!
下宮は、1716年に建てられオイゲン公の住まいとして使われていました。
その後、華やかな装飾を施した上宮が1723年にが建てられ、迎賓館として使われました。
オイゲン公の死後、オーストリアの女帝マリア・テレジアに売却され、
現在ではオーストリアで2番目に大きな美術館として知られています。
ベルヴェデーレ宮殿の見学について
チケット売り場は、門をはいって右手 ” Tickets ” と表示のある場所で購入します。
時間帯によってかなり混雑することから、オンラインでのチケット購入を推奨していますが、
窓口で購入する場合は、11:00~14:00を避ければ、待ち時間を最小限に抑えることができそうです。
チケット売り場と同じ建物の中には、クリムトの美術館グッズなどが豊富に取り揃えられています。
館内地図も、ここでゲットしましょう!
見学時間とチケットの料金
チケットは上宮と下宮で別々に購入できますが、どちらも見学するつもりなら共通券がお得です。
クリムトをお目当てに行くのであれば、上宮美術館のチケットが必要です!
見学時間は1時間半から2時間ほどが目安ですが、ゆっくりと庭園の散策もするなら、
2時間半くらいみておけばいいかと思います。
上宮美術館:9:00~18:00
窓口でのチケット料金:大人 € 19 / 小人(~19歳) 無料 / 学生(26歳以下、65歳以上) € 15.50
下宮美術館:10:00~18:00
窓口でのチケット料金:大人 € 17 / 小人(~19歳) 無料 / 学生(26歳以下、65歳以上) € 12,50
共通券:大人 € 27,50 / 小人(~19歳) 無料 / 学生(26歳以下、65歳以上) € 23,50
*窓口でも簡単にチケットを購入できますが、オンラインのチケットの方が少し安く設定されています。
ベルヴェデーレ宮殿の公式ページ は、英語とドイツ語の案内表示です。
予約日時の指定が必要で、購入後の変更や払い戻しはできないので注意しましょう。
お得なウィーン・シティカードは、オンライン (英語サイト)から購入できます。
手荷物は最小限に
コインロッカーに預けて、なるべく身軽な格好で見学することをお勧めします。
上宮美術館のみどころ
ベルヴェデーレ宮殿の上宮美術館は、-1階から2階までの4フロアで構成されていています。
オーストリアでも2番目に大きい美術館として、グスタフ・クリムト(Gustav Klimt) をはじめ、
エゴン・シーレ(Egon Schiele) や ヴァン・ゴッホ(van Gogh)、オスカー・ココシュカ(Oskar Kokoschka)、モネ(Monet)、ルノワール(Renoir)など、19~20世紀末美術史を代表する芸術家の作品が
数多く展示されています。
年代ごとに展示されているので、見たい作品が見つけやすかったです。
上宮美術館の装飾とパノラマ
2階には、豪華なシャンデリアと金箔の装飾が施された「大理石の間」があります。
天井一面には一面に美しいフレスコ画が描かれていて、展示品だけでなく宮殿内装の見学も楽しめます。
窓からは、美しい幾何学模様の庭園や下宮、ウイーン市街を眺めることができます。
時間があれば上宮と下宮の両方を見学するのもいいと思いますが、どちらを見学すればいいか迷っている方は、作品の充実度から考えると、上宮だけでも満足できると思います。
上宮美術館のハイライト「グスタフ・クリムト」
上宮美術館には、オーストリアを代表する画家グスタフ・クリムトの「 接吻 」をはじめ、
クリムトの作品は全部で24作品という世界最大のコレクション数が所蔵されています。
「接吻 (The Kiss)」は、金箔、銀、プラチナが使われた華やかな作品で、クリムトの「黄金時代」
と呼ばれる最盛期の1907年から1908年頃を代表する彼の最も有名な作品です。
クリムトが亡くなる10年前に描かれています。
鮮やかな花畑で親密に抱き合った男女の絵は、幸せそうにも見えますが、そこは死と隣り合わせの崖の上の
シーンで、見るものを不安にさせるものがあります。
クリムトの作品は、日本画と日本画の手法の影響を受けており、金箔を使いはじめたきっかけは、
1903年のイタリア旅行で、ラヴェンナのサン・ヴィターレ聖堂のビザンチン様式のモザイク画に
感銘を受けたことからといわれています。
バロック様式の庭園
ベルヴェデーレの庭園は無料で入場できるので、美術館に興味のない方でも宮殿の外観と庭園は、
一見の価値ありです!
宮殿の前には鏡の池が配置され、宮殿の美しいファサードが映しだされるようになっています。
上宮と下宮を結ぶ広い庭園には、泉水や彫刻、幾何学的にシンメトリーに配置された花壇や垣根の
バロック造園技術の最高峰をみることができます。
ウィーンの観光スポットは、別ページ で紹介しています。