世界遺産・クラクフの歴史地区を数時間で廻る見学スポット!
11世紀から16世紀末まで600年近くポーランドの首都として栄えた街「クラクフ(Krakow)」。
約1000年の歴史を持つ古都クラクフは、第2次世界大戦中ドイツ軍の司令部が置かれたことにより
戦火を逃れ、歴史地区が1978年世界遺産として登録されています。
世界遺産として登録された歴史地区には、13~15世紀に造られた要塞や聖マリア聖堂、
ヴァヴェル大聖堂など見どころが集まっています。
クリスマスシーズンのライトアップされた、中世の美しい街並みを残すクラクフを
半日で廻る散策スポットを紹介しています。
クラクフ中央駅から歴史地区へのアクセス
ヴロツワフからICで3時間16分、正午にクラクフ中央駅に到着しました !
新しい車両で停車駅も少なく、車窓から雪景色を見ながらの列車の旅はあっという間でした。
さっそく、クラクフ中央駅から歴史地区までアクセスしてみました。
クラクフ中央駅から歴史地区までは、徒歩でたったの7分です!
中央駅はショッピングモールに隣接しているので、駅から Stare Miasto の表示を目指して、
ショッピングモールを通りぬけて旧市街へ向かうことができます。
ショッピングモールは衣類、雑貨、電気製品、飲食店、カフェ、スーパーなどが入っているので、
必要なものはすべてここで揃うし、トイレも無料です。
歴史地区へは、北門からアクセスします。
バルバカンとフロリアンスカ門
歴史地区の入り口には、15世紀に建てられた円形の要塞 バルバカン。
オスマン帝国の占領を受けて1499年に建てられたバルバカンは、直径25メートルの円形計画で、
数メートルの厚さの石とレンガの壁に囲まれ、さらに周りが堀で囲まれています。
現存するものとしては最大規模のものとして知られており、現在、ワルシャワなど
ヨーロッパ数ヵ所にしか残っていないという貴重な建物です。
クラクフを守っていた城壁の北門にあたるフロリアンスカ門。
このフロリアンスカ門は、14世紀に造られた高さ33.5メートルの門で、パレードや戴冠式の起点となった
歴史的に重要な門です。天然石で作られたシンプルで小さな門なので、「大した事ないな~」
と思うんですが、この小さな入り口を入ると視界には中世の美しい街並みが広がります。
旧市街を取り囲んでいた城壁は殆どなくなってしまいましたが、フロリアンスカ門は
当時のまま残されています。
フロリアン (Floriańska)通りを中心部へ向かいます。
聖マリア聖堂
クラクフの歴史地区の中心地「中央市場広場」に面して13世紀に建てられたゴシック様式の教会
「聖マリア聖堂(kościół Mariacki)」。
中央祭壇には、ドイツ人の彫刻家「ウィット・ストフォシュ(Wita Stwosza)」によって、1477年から
12年間かけて制作された聖母マリア、キリストと12使徒など聖書のあらすじが高さ13m、
幅11mの木製の枠の中に2.8mの彫像を埋め込まれて造られています。
コバルトブルーの天井とレンガ色の壁の教会内部は、フレスコ画、絵画、彫像、金で装飾され、
ステンドグラスから入る外からの自然な光を浴びて、宝石箱の中にいるようです。
ポーランドでグダンスク、ポズナン、ブロツワフと3都市廻ってきましたが、
このような華麗な教会は初めて見ます。 ちなみに大聖堂内は、写真撮影ができます。
教会の内部は、ツーリストと祈りをささげる信者の入れる区分が分かれていて、教会正面入り口は、
祈りをささげる信者のみが入ることができます。
見学者は、教会の脇右手の入り口から入るようになっています。
チケットは、見学者用入り口の反対側にチケットオフィスがあるので、そこで購入できます。
聖バルバラ教会
聖マリア聖堂の近くにある、14世紀に建てられた小さなゴシック様式の教会。
葬儀用の教会として使用されており、現在まで何度も修復が繰り返されているそうです。
ひっそりとしていて、見学するというより信者が祈る神聖な場所という雰囲気でした。
聖フランシスコ教会
ヴァヴェル城と中央市場広場の間にある教会は、亡きローマ教皇「ジョヴァンニ・パオロ2世
(カロル・ヴォイティワ)」のお気に入りだった聖フランシスコ教会があります。
プラハのフランシスコ会修道士によって13世紀に建てられてから何度も火災に見舞われ、
修復の都度、ゴシック様式やネオゴシック様式などが混在して現在のスタイルになっています。
教会内の壁や天井の装飾も美しいですが、ステンドグラスは見学スポットの一つです。
聖フランシスコ教会には、ジョヴァンニ・パオロ2世が教皇になる前に、通常座っていた椅子が
保存されています。
ヴァヴェル城
歴代のポーランド王の居城であったヴァヴェル城。
小高い丘の上にあるので、クラクフの街を見渡せる絶景スポットにもなっています。
伝説によると、昔クラクフには民を怯えさせるドラゴンが住んでいたそうです。
それに困まり果てた王は、ドラゴンを退治した者に国の領土半分と娘との結婚を約束し、
このドラゴン退治に成功したのは、靴職人だったそうです!
靴職人は、羊の中に硫黄を詰め込み、ドラゴンに食べさせました。
それを食べた後のドラゴンは、クラクフの川の水を全て飲み干しはちきれてしまったという話です。
ドラゴン伝説にまつわるヴィスワ川からクラクフの街並みを見れる クルーズ観光 で、歩くだけでなく
ひと味違った観光スポットを巡ってもいいですね。
ヴァヴェル城は、レオナルド・ダ・ヴィンチが「白貂を抱く貴婦人」を制作した場所でもあります。
2017年夏からクラクフ国立美術館で展示されています。
ヴァベル大聖堂
ヴァベル大聖堂は、14世紀から18世紀までのおよそ400年にわたって殆どの国王の戴冠式が行われた
場所です。大聖堂では、ポーランドの国王と国の英雄の眠る石碑を見ることができます。
何度にもわたって増改築を経てきたために、さまざまな建築様式が融合した姿になっていて、
王の大聖堂にふさわしい品格と豪華さ、重厚感が伝わってきます。
残念ながら大聖堂内は撮影禁止だったので、その美しさを撮影することができませんでした。
チケットは、大聖堂の入り口の斜め向かいのチケットオフィスで購入できますが、
チケット販売サイト Get your guide などからもあらかじめ購入できます。
中央市場広場
13世紀に造られた歴史地区の中心地「中央市場広場」は、200平方メートルの敷地のある
ヨーロッパで最も大きな中世の面影を残す広場の一つです。
旧市庁舎の塔[Wieża Ratuszowa]や織物会館、聖マリア聖堂などクラクフの重要な歴史建造物が、
広場を囲むように建てられています。
12月はクリスマスマーケッのスタンドが出店し、大勢の人々で賑わいを見せています。
2023年11月24日~2024年1月1日迄
ショップ:10:00~20:00
織物会館
13世紀に建てられてから、織物と塩の取引が行われていた場所で、
現在108mの通路の両脇には、ポーランドの民芸品や琥珀、土産物が販売されています。
2階は国立美術館になっており、ポーランドの偉大な画家の作品が展示されています。
クラクフで宿泊したホテル
アパートホテル レッド ブリック アパートメンツ [Red Brick Apartments] に宿泊しました。
スーパーやショッピングモールが近くにあり、クラクフ中央駅から徒歩5分、
歴史地区までは徒歩10分と便利な立地にあります。
部屋は清潔で、必要な設備が整っていて安いのが魅力です。
とても快適だったので、1泊で出発するのが残念なくらい・・・
クラクフ中央駅から歴史地区までは1キロ程度の距離で、駅周辺の治安も比較的良いので、
スーツケースを持っての移動距離の短い、駅の近くに宿泊するほうが便利です。
ポーランドは物価が安くアパートホテルも数多くあるので、長期滞在者にはもってこいです。
まとめ
クラクフは、戦火から逃れた歴史的建造物の建ち並ぶ美しい都市。
中世の街並みだをイメージして鉄道の駅を降りると、近代的なショッピングモールへと続く通路があり、
自分の住んでいるローマよりずっと近代的で日本と似たイメージがわきました。
歴史地区は徒歩で全ての観光スポットにアクセスできるコンパクトサイズなので、
短時間で見学することができ、「聖マリア聖堂」と「ヴァヴェル大聖堂」などは、
以前訪問したベルーギーやストラスブールの後に次ぐ、久々に見ごたえのある教会でした。
次回は、時間の都合で見学できなかった「アウシュヴィッツ強制収容所」 や
「ヴィエリチカ岩塩坑」も行ってみたいとおもいます。限られた時間で移動する場合は、
旅行会社主催のクラクフの現地ツアーに参加するのも一つの手ですね。