ベルギーは、九州ほどの小さな領土で3か国語の公用語 (オランダ語、フランス語、ドイツ語) が使われ、
13件の世界遺産が登録されている美しい芸術の都市が集まった国です。
フランス、オランダ、ドイツに囲まれたヨーロッパの中心部に位置することから、高速列車で近隣の国へ
短時間でアクセスができるのが魅力です。
ベルギーの主要観光都市である ゲント、ブルージュ、アントワープ など、どの都市も ブリュッセル から
列車で1時間以内でアクセスできるので、国鉄を使いこなせば一度の旅行で何都市も廻ることが可能です。
今回、レールパス/Railpassを利用してベルギーの4都市を4泊5日で廻ってみたので、
旅程やパスの購入方法、使い方、注意点などを説明します。
ベルギー4泊5日の日程
私たち親子がベルギー国鉄を利用して、ゲント、ブルージュ、アントワープ、ブリュッセルの4都市を
4泊5日で訪れた日程です。
1日目: ブリュッセル・ザベンテム空港(Zaventem Airport)到着
列車でゲント(Gent)へ → ゲント市内観光 → 列車でブルージュ(Brugge)へ ┄ ブルージュ泊
2日目: ブルージュ観光 → 列車でブリュッセル(Brussels)へ ┄ ブリュッセル泊
3日目: 終日ブリュッセル観光 ┄ ブリュッセル泊
4日目: 列車でブリュッセルから日帰りでアントワープ (Antwerp)へ ┄ ブリュッセル泊
5日目: ブリュッセル・ザベンテム空港からローマへ
ベルギーの国鉄 NMBS / SNCBについて
ベルギー国鉄は、NMBS(オランダ語)/SNCB(フランス語)と呼ばれています。
国内を走る列車の種類は3種類で、チケットは共通で使用できます。
また、インターシティにも特急料金はかかりません。
・IC(インターシティ):特急列車
・IR(インターリージョナル):急行列車
・L(ローカル):普通列車
他のヨーロッパ鉄道のように”早割”というようなチケット割引がありませんが、割引料金が充実しています。
鉄道を利用して多くの都市を廻りたい旅行者に欠かせないのが、10回分の回数券Rail Pass(レイルパス)と、
週末の運賃が50%OFFになるWeekend Ticket(週末割引チケット)です。
週末割引チケットは、週末(金曜日19時~土曜日、日曜日)に利用すると、通常料金の50%オフになる
割引チケットです。国鉄駅の窓口、券売機、SNCBサイト、SNCBアプリから購入できます。
Weekend Ticketについての詳しい情報
26歳以下、65歳以上の場合は、別の割引チケットがあるのでチェックしてみてください。
ベルギー国鉄公式サイト(英語)
レイルパス( Rail Pass)とは?
レイルパスとは、ベルギー国鉄を割安に乗車するための必須アイテムです。
一定料金で列車を10回利用できる回数券のようなものですが、10枚に切り離れたチケットではなく、
1枚のチケットに10行 行き先を記入できるようになっているので、2人以上のグループで利用できます。
座席は予約できませんが、時間帯や行先によっては比較的空いていて座れます。
1等車はビジネスマンや人混みを避ける人が利用し、学生や旅行者の殆どは1等車を利用しないようです。
レイルパスの購入場所と料金
レイルパスは、現地の国鉄の駅の窓口や券売機からの購入が可能です。
ユーレイルパスとは違い、身分証明書などの提示も必要ありません。
私達は、ザベンテム空港の地下にある国鉄の駅の窓口でレールパスを購入しました。
購入した2019年8月の料金は €83 (2nd class)でした。
2024年現在 € 102 (2nd class)、€ 157 (1st class) ベルギー国鉄公式サイトへ
待ち時間も殆どなくパスの記入の仕方も教えてもらったのでラッキーでしたが、通常は混みあうようです。
発券から1年有効なので、ベルギー到着日に買っておくと乗車当日に列に並んだり慌てる事もなく安心です。
レイルパスの使い方
(2019年8月に利用したレイルパスです)
列車に乗る前もしくは、検札員が来るまでに曜日、日付け、出発地、目的地の4項目を記入します。
私たちは2名で使用したので、2行同じ内容(2名分)記入する必要がありました。
①② ブリュッセル空港(BXL AIRP)▶ゲント(Gent)
③④ ゲント(Gent)▶ブルージュ(Brugge)
⑤⑥ ブルージュ(Brugge)▶ブリュッセル(Brussels)
⑦⑧ ブリュッセル(Brussels)▶アントワープ(Antwerp)
⑨⑩ アントワープ(Antwerp)▶ブリュッセル(Brussels)
検札員は必ず検査に来るので、正確に記入して提示する必要があります。
不正防止のため鉛筆のような消せる筆記用具はNGなので、ボールペンを用意しましょう。
もし間違えたら次の行に書かなければならないので、綴りなど慎重に記入しましょう。
ブリュッセルの空港駅で発生するディアボロ フィーについて
空港駅(Brussels Airport – Zaventem)から
直接レイルパスを使う場合は、ブリュッセル空港駅の
改札ゲート使用料として、DIABOLO(ディアボロ)
という追加チケットを購入する必要があります。そして、レイルパスに出発地 BXL AIRPと行き先を
記入すれば、1回目が完了です。
追加料金は、1人 € 5.40でした。(2019年)
2024年現在 €2程値上がりしています。
レイルパスを使わずに一般のチケット購入した場合は、別途購入する必要はありません。
(Brussels Airp ticket incl Diabol)という表示があります。
通常、鉄道の駅には改札がありませんが、空港駅にはこのような改札機があります。
日本と同じように入る時も出るときにもチケットを挿入するシステムになっていますので、
チケットを失くさないように携帯してください。
インターシティ(IC)が利用できる駅
ベルギー国内の観光主要都市、ブリュージュやアントワープ、ゲントなどには、特急列車の
インターシティ(IC)が停車します。
インターシティ(IC)が利用できるブリュッセルの主要鉄道駅は、南駅(Bruxelles Midi)、
中央駅(Bruxelles Central)、北駅(Bruxelles Nord)の3つですが、治安の面からいうと
中央駅からの利用をお勧めします。
ブリュッセル滞在時も、観光スポットの集中している中央駅での宿泊をお勧めします。
ホテル選びは、TripAdvisor などの口コミサイトを参考にしてもいいと思います。
レイルパスは予約不要で利用できるので、各駅からの発着時刻を調べられる SNCBアプリを
ダウンロードしておくと旅がスムーズになります。
ついでに、どこでもインターネットが使えるように airalo など eSIM や 海外専用グローバルWiFi を
用意しておくことをお勧めします。
空港駅からの最初の目的地は、所要時間約1時間3分、ゲント・シント・ピーテルス駅です。