ローマには900以上の教会があり、その中にはその地区の人しか訪れないような小規模のものもあれば、
世界各地から観光を目的に訪れる大規模なものまであり、建築様式や装飾も年代によって違ってきます。
教会内の墓や記念碑、礼拝堂などは偉大な芸術家によって手掛けられたものもあり、
まるで美術館の中を歩いているような錯覚に陥ることもあります。
しかも、ローマの教会は無料で見学できるのが大きな魅力です。
さて、このサンタ・マリア・ソープラ・ミネルヴァ教会では、ルネッサンスの巨匠ミケランジェロの作品
を紹介します。
サンタ・マリア・ソープラ・ミネルヴァ教会とは?
サンタ・マリア・ソープラ・ミネルヴァ教会は、ローマの歴史地区のパンテオンの近くにある
ローマで唯一のゴシック様式の教会です。
ミネルヴァ神殿の上に建てられたということでこの名前が付けられたのですが、17世紀後半になって、
エジプトの女神イシスの神殿の基礎がここにあったことが判明しました。
ファサードには、16世紀と17世紀にテヴェレ川が何度も氾濫して、20m まで水位が上がったという
位置を示す印がされています。
教会の中は美術館のよう
シンプルな外観からは、想像もできない広い空間を感じさせる内部は三廊式の尖塔アーチと、
天井にはコバルトブルーに金色の星と聖人が描かれています。
教会の中は、外から入る光がステンドグラスに反射し、とても鮮やかな色合いを見せます。
それぞれの礼拝堂にあるフレスコ画や彫像は、まるで美術館を見学しているようです。
右側のカラファ礼拝堂では、フィリッピーノ・リッピのフレスコ画を見ることもできます。
中央の祭壇の下には、イタリアの守護聖人、シエナの聖カテリーナが埋葬されており、
その他、ルネッサンスの画家フラ・アンジェリコ、法王パウルス4世、レオ10世、
クレメンス7世もこの教会に埋葬されています。
あがないの主イエス・キリスト像
ミケランジェロの作品であると知らなければ通り過ぎてしまうほど、
柵やガラスの囲いもなく中央祭壇の左側に配置されているのが、
「あがないの主イエス・キリスト像 」、イタリア名は、「ミネルヴァのイエス・キリスト像」
(Cristo della Minerva) と言われ、1519~1520年に制作されています。
白い大理石で造られたキリストの腰にブロンズで布が巻かれており、このブロンズの布は、
教会に置く彫像にふさわしくする為、他の芸術家によって後で付け足されています。
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サンタ・マリア・ソープラ・ミネルヴァ教会へのアクセス
サンタ・マリア・ソープラ・ミネルヴァ教会[Basilica di Santa Maria sopra Minerva]
場所:Piazza della Minerva 42
見学時間:月~日曜日 8:00~19:00
アクセス:バス 62、63、83、85、160、492、628 Corso/Minghetti 下車